P4NEXT・井上氏が講演、IT活用を支援

日塗商山陽・山陰ブロック

日本塗料商業組合山陽・山陰ブロック(ブロック長・中島弘晶氏)は3月19日、ホテルグランヴィア広島で「令和8年ブロック研修会」を開催した。冒頭あいさつに立った中島氏は、中東情勢について触れ「非常に厳しい状況が想定される中、一層効率化に向けた取り組みが重要になる」と働き方改革をテーマに据えた今研修会の意義を伝えた。当日は53名が参加した。

「FAX、TELで稼げる時代は終わった」とインパクトのあるタイトルで登壇したのは、P4NEXT(ピーフォーネクスト)社長の井上芳文氏。井上氏は、塗料ディーラーで15年間営業職として勤務した後、2019年塗料・塗装業界向けに業務システムやアプリケーションの開発を手掛ける同社を設立した。

先述の講演タイトルは、販売業実務を経験した井上氏自身の思いを込めたもの。「当時、顧客の要望や注文に対応しようにも営業先では情報がないためきちんとした回答ができない。帰社してから溜まった要望について調べ、回答する。完全に御用聞き営業そのものだった」と述懐する。

当時は、そうした御用聞き営業もディーラー機能と理解しつつ、御用聞きで得られていた注文が徐々にネットに奪われていることに気づく。必要な商品が必要な量で即納され、かつポイントが付与されるネット通販に対し、「御用聞き営業や顧客の下請け仕事を続けるだけでは成長は得られない」とイノベーションの必要性を確信する。

そこで井上氏が開発したのが、塗料・塗装業界版ECサイト(商品名・P4CLOUD)。

同サイトは、販売店と顧客を直接結ぶ受発注システムで、顧客は24時間365日、必要な材料を発注することが可能。販売店側も営業時間外の受注に対応する他、請求書、見積書、納品書、報告書などのデジタル送付が可能。更にSDSの追加修正やリスクアセスメント作成などの業務においては、同社スタッフが代行するサービス体制も整えた。現在、777事業者が利用しており、2025年度は10億円(取引額ベース)を超えた。

井上氏は、IT化により「注文に関する問い合わせが減り、顧客からより深い相談が寄せられるようになる」とデジタル化のメリットを強調。コンサルティングや価値共創営業といった質的向上の価値を訴えた。

現在、同社ではECサイトの他、水洗槽の水量や汚染度チェックシステムや乾燥炉の温度上昇管理システムなどを開発。塗装ラインのIoT化をテーマに引き合いを増やしている。