効率的な設備と量産性で成長目指す
牛田電装(大阪)
牛田電装(所在地:大阪府八尾市、代表取締役社長:塩見伸一氏)は3,000mmの長物を量産で流せる塗装ラインを有し、2コート2ベーク仕様を1回で仕上げることができる効率的な塗装設備が大きな特長だ。老朽化する設備更新のタイミングを計りつつ、品質管理と納期対応力を強みに事業拡大を目指す。
牛田電装(所在地:大阪府八尾市、代表取締役社長:塩見伸一氏)は3,000mmの長物を量産で流せる塗装ラインを有し、2コート2ベーク仕様を1回で仕上げることができる効率的な塗装設備が大きな特長だ。老朽化する設備更新のタイミングを計りつつ、品質管理と納期対応力を強みに事業拡大を目指す。
大阪の有力な工業地域の1つである八尾市に工場を構えて37年が経つ。これまでに土地を買い増し、工場を拡張させて成長してきた。塗装ラインはメインの2ラインに加えて、簡易ブースを設けて効率的な生産体制を整える。
大型塗装ラインは縦吊り搬送式となっており、ワークはパイプ状では縦3,000mm、板状では縦2,800mm×横1,200mmのサイズに対応できる。長物を縦吊りで量産できる塗装設備はコストや納期の面でも強みとなっている。前処理はリン酸亜鉛皮膜処理を行う。
塗装品目は建設機械や農業機械を主力とし、建材、道路資材、鋼製家具などを取り扱う。以前と比較するとその種類は大きく異なっている。
塩見社長は「20年前は家電製品が多かったが、素材が金属から樹脂に代わったり海外生産に移管したりして大幅に減少した。その後はオフィス家具やディスプレイ、棚、最近ではメガソーラーのキュービクルやパワコンが多かった時期もあった」と時流に合わせて仕事を確保している。注文は塗料メーカーや加工業者からの依頼や紹介が多いという。
1ラインで複層仕上げが可能
そうした製品の変化に対応できる塗装体制が同社の強みだ。ワークサイズの対応幅を持たせた塗装ラインのため塗装品の選択肢は広い。量産品であれば生産力を生かすことができ、塗装価格や納期対応力で優位性を示す。
塗装設備も特徴的だ。塗装ブースは長く、最大で横並び5人のスプレーマンが同時に塗装することが可能。途中に中間乾燥炉を設けているため、プライマー+乾燥(中間)+上塗りが同一塗装ブースででき、その後の乾燥工程を経て2コート2ベークが1ライン1回で仕上げることができる。
ハンドガンだけでなく静電塗装機による自動塗装も備えており、パイプ形状であれば静電塗装機の方が効率的であったり、箱物形状であればハンドガンで塗装したりと柔軟に対応する。
塩見社長は「複雑な品物でも1回で塗装が完了する。何回も回さなくてよいので効率化が図れている。大物品は1人では塗りきれないので、分業で塗ることを想定して設備を設計した。多色や塗り分けにも対応しやすく、前方と後方(のスプレーマン)で違う色を塗っている場合もある」として複層仕上げや複数色使用などにも対応できる塗装設備となっている。
大型塗装ラインの隣には壁を隔てて中型塗装ラインがあり、このラインでも5人が同時に塗装できる体制を整える。そのため、従業員40人のうち、15人ほどが塗装を担える。
塗装の人材について「以前は経験者を採用することもあったが、そうした人は癖やこだわりが強いことがあって、合わなかった。当社はチームで塗っているので協調性が大事。そのため希望者を募って育ててきて10年が経った」と振り返る。
品質基準を顧客と周知徹底
工業塗装における品質管理の厳しさは年々増す中、同社の顧客に関しても「品質は厳しい」状況だ。とはいえ製品や部位で基準は異なり、その基準を顧客と共有することが大事だと言う。
塩見社長は「品質は厳しいがその基準を分けることが大事。品物によっては膜厚が確保できていれば外観はそれほど要求されないこともある」という。
そこで必ず最初に完成品を確認することを徹底する。塗装した部材が製品のどの位置にくるのかを確認するためだ。裏面と表面の基準は同じなのか、同じである必要性はあるのかなど基準を明確にして、事前に顧客と認識を共有するようにしている。「全部厳しい基準で見ると不良率が上がり手間がかかる。結果として、納期もコストも高くなってしまう。品質基準を分けてくれれば歩留まりが良くなり、顧客のメリットにもなる」と基準値を細分化することで無駄を省けるとの考えだ。
現状、老朽化した設備の大規模な更新を課題に掲げる中、効率的な塗装体制と量産性に優れた塗装ラインを強みに更なる成長を目指している。