新工場立ち上げ、水性と粉体に特化
春日井金属塗装所(愛知)
春日井金属塗装所(本社工場:愛知県春日井市、代表取締役社長:大久保清司氏)は第2の本格的な拠点となる神屋工場の稼働をスタートさせた。新工場では次世代の塗装工場の在り方を追求し、水性塗装と粉体塗装に特化した環境配慮型工場に舵を切った。本社工場とのすみ分けを図ることで生産性を向上させるとともに、脱溶剤塗装の受注を積極化させ塗装工場として更なる成長を目指す。
春日井金属塗装所(本社工場:愛知県春日井市、代表取締役社長:大久保清司氏)は第2の本格的な拠点となる神屋工場の稼働をスタートさせた。新工場では次世代の塗装工場の在り方を追求し、水性塗装と粉体塗装に特化した環境配慮型工場に舵を切った。本社工場とのすみ分けを図ることで生産性を向上させるとともに、脱溶剤塗装の受注を積極化させ塗装工場として更なる成長を目指す。
神屋工場は本社工場から車で25分ほどに位置する高台の工場団地内にある。そもそも新工場構想の着想はBCPの重要性を実感したためだ。2000年に愛知県を襲った東海豪雨では3日間工場が止まった。
大久保社長は「本社がある地域は低い土地なので災害リスクは避けられない。供給責任のためにも工場の分散を考えた」と振り返る。それから土地を探していた中で工業団地内に物件を見つけたが、その際にこだわったのが環境に配慮した次世代工場だ。
神屋工場では水性塗装と粉体塗装に特化した設備体制を整えている。「将来性を考えたとき、環境の方向に一層進むだろう」(大久保社長)と方向性は決まっていた。
工場の床面積は600㎡。塗装設備はロボット塗装とハンドガン塗装の2基の粉体塗装ブースと、水性塗装ブースが1基の計3基。ただ、水性塗装ブースの横には別のダクトを設置しており増設することも想定。乾燥炉は2台を併設し、乾燥炉の熱源を含めて工場はオール電化仕様としている。
塗装品は2,000mmまでの長さに対応できる。本社工場は1,500mmまでなので、より長物にも対応できる設備とした。塗装ブースが隣接しているため、粉体塗装+水性塗装などの仕様にも柔軟に対応でき、環境配慮型塗装を積極的に提案していく考えだ。
「水性塗装の体制が整った」
粉体塗装については本社工場で長年の実績がある一方で、水性塗装については本格的には新たなスタートとなる。水性塗装の取り組み自体は15年ほど前から行っていたが、本格化したのは「検証できる可能性のある材料が見つかった」(大久保社長)3年前からだ。
大久保社長は「それまでは(水性塗料は)塗膜性能は良いが作業性が悪かった。納品できる(傷がつかない)まで塗膜が乾燥するのに時間がかかっていた」と完全硬化時間に課題があった。
その後、「3年前から焼付タイプが出たり、2液タイプが出たり、かなり扱いやすくなってきた。実際に品物に塗って検証を行って今が3年目。経年変化を見て大丈夫だと判断した」ことで顧客に提案を行った。その結果、まず3製品で採用され、4月から神屋工場で生産をスタートさせている。
現状では水性塗料の単価は同タイプの溶剤塗料よりも割高だが、作業効率を高めて吸収したい考え。期せずして中東情勢により溶剤塗料の調達難など影響が出ている。大久保社長は「いずれにしてもメラミン系をはじめ溶剤塗料の値段は上がってくると想定すると、水性塗装でも競争力が出てくる」との見方を示し、水性塗装や粉体塗装の提案を積極的に行う。
BCPが第1の目的ではあるものの、神屋工場の稼働により全体の生産能力は向上する。成長戦略を進める上では規模の拡大が重要との考えだ。
大久保社長は「今の会社の規模では将来的に塗装工場を存続させるのは難しいと思っている。もう少し会社を大きくしないと世の中の変化に対応できない。安全管理者、環境管理者、法令管理者など専任者や専任部を強化する必要があり、そのためにも売上規模は大事」と基盤強化を図っていく方針だ。