三洋化成工業は、水溶性、油溶性ともに使用でき、鉄や非鉄、各種合金まで幅広い金属に高い防錆効果を発揮するマルチメタル(多金属)対応の防錆剤「サンヒビターNO.70」を開発した。 

同品はアミン系の吸着皮膜型防錆剤で、親水性と疎水性のバランスを精密に調整し組成の最適化を行った。その結果、水溶性防錆剤の課題であった泡立ちや腐敗、油溶性防錆剤の課題であった除去性や安全性などを解決することに成功した。

そのまま金属加工油(工作油剤)や機械潤滑油の配合時に添加したり、タンクや配管の冷却水などに溶解させたり、防錆剤(油)調合用の防錆原体とするなど幅広く使用できる。

通常、吸着皮膜型防錆剤は、水系での加工や洗浄、塗装、冷却水、チラーなどに使用する水溶性防錆剤と、油系の加工、塗装、機械潤滑油などに使用する油溶性防錆剤がある。

水溶性防錆剤は油を使わないため火災の危険性がない、除去しやすいといった特長があるが、油溶性防錆剤に比べて防錆性能が低い傾向にあり、泡立ちや水の腐敗に対して対策が必要といった課題があった。

一方、油溶性防錆剤は、防錆性能が高いものの、除去性が悪い、引火点が低く火災の危険に注意が必要などの課題があった。

三洋化成工業は得意とする界面制御技術を活用して、親水性と疎水性のバランスを精密に調整することで、水溶性、油溶性防錆剤それぞれの特長を維持したまま、水溶性の泡立ち、腐食、油溶性の除去性、安全性といった課題を解決した。