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マスバランス水性無機系塗料を投入

日本ペイント

日本ペイントは建築物外装用のマスバランス式バイオマス水性1液無機系塗料「グリーンループBMK」を今年8月に市場投入する。2028年から「建築物LCA」の制度化が開始するなど、近い将来に建築業界では「環境性能を可視化・説明できる建材」への要望が高まると考えられており、こうした新しいニーズを先取りした。マスバランス方式により環境対応性を高めつつコスト増を回避しており、同社製品での最高レベルとなる期待耐用年数20年と実用性も確保した。

 


国土交通省では国内のCO2排出量の推計として全体の約4割が建築分野由来としている。内訳は、資材製造・施工・解体時の排出量が約1割で、建物使用時の電力使用などの建築物の使用段階の排出量が約3割を占めている。

このような傾向から、従来の建築分野の環境負荷対策は、例えば空調・照明の改善や断熱性能の向上など、建物使用時の省エネに関する取り組みが主体だった。しかし最近、LEDの普及をはじめ電力に関する環境対応が広がってきたことから、建築物の輸送や建設、修繕、廃棄・リサイクルといった使用段階以外におけるCO2排出削減に目が向けられてきている。

「塗料に関しては、環境への効果を具体的に数値で示すことが求められてくると考えている」と日本ペイントの担当者は説明する。

外装用マスバランス式バイオマス水性1液無機系塗料「グリーンループBMK」は、建築業界におけるこうした新しい市場ニーズに対応するために開発された。バイオマス原料の使用によるCO2削減及び期待耐用年数20年という同社の上塗り塗料の中で最高水準の耐候性の両立が特長。今年8月下旬の販売開始を予定している。

一般的に塗料へのバイオマス原料の活用は、所望の性能を達成するために材料・技術面でいろいろな工夫を盛り込む必要があるためコストアップにつながる傾向がある。グリーンループBMKでは樹脂の原料の一部にバイオマス原料を使用し環境負荷低減を図っているが、コスト増を回避するためマスバランス方式を採用した。

具体的には、石油資源由来原料とバイオマスナフサなどのバイオマス原料を混合して生産した樹脂を用いている。作られた樹脂に含まれるバイオマス原料の割合はさまざまであり、実際に使用する場合には石油由来原料のみで作られた樹脂と同等の性能を持つ。このため、性能を引き出すための工夫に要するコストが必要ない。

結果的に「グリーンループBMK」は製造プロセス全体で環境負荷低減に貢献しつつ、石油由来原料で作られた塗料と大きな価格差を生むことなく実用性を確保しているというわけだ。

また、グリーンループBMKではバイオマス原料の使用に加え、環境負荷低減を目指してさまざまな技術的改良を取り入れている。その成果として、例えば同社の「汎用水性フッ素仕様」と比べた場合、下塗りを含む塗膜全体で約43%のCO2削減が可能だとしている(図参照)。

同社では、顧客へのヒアリング結果からもグリーンループBMKの潜在需要に手応えを感じている。「既に見積もりに建材の価格情報だけでなく環境情報の記載が求められている」(ゼネコン)、「CFPを算出していない製品はサプライチェーンから外されていく」(ディベロッパー)といった声が寄せられているという。

「サプライチェーン各層で環境性能を可視化・説明できる建材への要求が高まっている。また2028年以降、建築物のライフサイクル全体におけるCO2排出量を可視化・評価する「建築物LCA」の運用が本格化すれば、この流れは更に加速するはず。そのときのために先手を打った形だ」と担当者はコメントし、将来ニーズを見据えた商品だと強調した。


グリーンループBMK
グリーンループBMK
グリーンループBMKの環境性能イメージ。汎用水性フッ素仕様に対し塗膜全体で約43%CO2を削減
グリーンループBMKの環境性能イメージ。汎用水性フッ素仕様に対し塗膜全体で約43%CO2を削減

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