塗料販売店の生成AI活用策を紹介
日塗商南関東ブロック
日本塗料商業組合・南関東ブロック(ブロック長・山縣繁晴氏)は3月11日、東京・品川区の貸会議室でブロック研修会を開催した。講師として登壇したのは、モリエン(本社・兵庫県神戸市)の森一朗社長。同社はネット塗料販売では20年以上の実績を持つIT活用の先駆的企業として知られる。同業者による具体的なIT活用策が聞けるとあって当日は千葉、東京、神奈川の3支部から約30名が参加した。
森氏がこの日テーマに挙げたのは「塗料販売店における生成AI活用事例紹介」。多くの塗料販売店が経営課題に抱える"人手不足""人材育成"を切り口に生成AI活用について語った。
森氏は冒頭に社内の取り組みについて触れ、「現在は、デジタル人材の育成と合わせ、全社員でAIを活用した業務改善に取り組んでいる。個人利用は80%超、社内利用は20%程度に達した」と積極活用を進めている。社内利用としては①設計価格表②SNSの投稿③営業ロールプレイング(営業ロープレ)を事例に挙げた。
設計価格表は、メーカーを問わず塗料製品の設計価格をスマホで瞬時に回答を得られる。SNSは、Instagram、Facebookの投稿文の原稿を数秒で自動生成。営業ロープレは、生成AIを仮想顧客に受注に至る実務的なやりとりを会話形式でできるというもの。新人社員の練習ツールとして活用しており、ロープレ終了後は確認漏れがないかなどレビューも出るという。「営業ロープレで満点を取るまで現場に出られないのが当社のルール。先輩社員の労力も軽減でき、非常に重宝している」と利便性の高さを伝えた。
この他、同社では施主に外装色のイメージを伝えるための画像処理やロゴデザインの作成、図面を読み込み仕様や特記事項のリスト化に生成AIを活用している。
続いて、森氏は求める回答を的確に得るためのプロンプト(指示文)やリスクについて説明した。
プロンプトについては「書き方1つで回答の質が劇的に変わる」と述べた上で「分からなければ、どうすればいいかも生成AIに聞けばいい」とアドバイス。またリスクにおいては、①ハルシネーション(誤情報)②情報流出③著作権問題の3点を指摘し、ファクトチェックの必要、無料版による安易な利用に警告を促した。
最後に森氏は、社内利用を円滑に進める上で「まずは経営者自身が活用することが重要」と指摘。「生成AIを活用する目的とルールを定め、些細な活用も評価し合い、小さな成功体験を積み重ねることが大事になる」と述べ、講演を締めくくった。
