第1位
大型樹脂部品向け型内塗装開発 NPAC/内浜化成、関ペ/豊田合成
自動車用の大型樹脂部品向けとして、インモールドコーティング(型内塗装)の開発が活発化している。日本ペイント・オートモーティブコーティングス(NPAC)は内浜化成と、関西ペイントは豊田合成とそれぞれ共同開発した。塗装ブースと塗装乾燥炉が不要となるため、生産時のCO2排出量を約6割削減できる。従来、小型部品では採用されているが、量産が難しい大型外装部品向けで技術が確立された。
第2位
外観検査をAIで自動化 ヒバラコーポレーション
工業塗装専業者のヒバラコーポレーションは塗装外観検査の自動化や精度向上に寄与する「AI表面検査システム」を開発、2026年初頭の上市を予定している。協働ロボットに設置したラインスキャンカメラで被塗物を撮影し、AIにより画像から不具合を判定する。塗装外観におけるブツ、傷、穴、糸ゴミ、へこみ、ピンホールを高精度に検出できる。人手不足対策、更には検査品質における革新的技術の普及を目指す。
第3位
ふっ素ハイブリッド粉体塗料開発 AGC
ふっ素樹脂メーカーのAGCは、従来工程より簡便なドライブレンド手法を用いた、建築建材用のふっ素-ポリエステルハイブリッド粉体塗料の開発に取り組んでいる。着色ポリエステル粉体とクリヤーふっ素樹脂粉体を混合処理する工程のみであり、従来工法にあった溶融や冷却、粉砕といった工程が不要で効率化が図れる。今後、塗料メーカーへの技術情報の開示・共有を進め、製品化を目指す。
第4位
塗着効率85%、高塗着塗装機開発 久保井塗装/明治機械製作所他
工業塗装専業者の久保井塗装は、東京都立大学、明治機械製作所、武蔵塗料と共同で超高塗着塗装システムを開発、塗着効率85%以上を実現した。エア霧化スプレーガンによる塗装技術で、ガン先端のノズルに特殊形状を施し、ガン内部のニードル(塗料の止出制御の役目)のオンオフ反応の精度を高めるなどの工夫を凝らした。その結果、低圧かつエア流量を抑えても塗料を霧化することに成功した。
第5位
リブレット塗装旅客機が航行 JAL/オーウエル/JAXA
飛行機の機体表面に微細な溝を施し摩擦抵抗を減らすリブレット塗装の航空機が世界で初めて商業運航を行った。オーウエルが塗装工法を開発、JAXAが風洞実験などの科学的解析を行った。リブレット塗装による巡行時の抵抗低減率は0.24%。JAL担当者は「年間119トンの燃費削減効果とスギ2万7,000本に相当するCO2削減効果が得られる」と述べ、環境負荷低減技術としての有用性を示した。
第6位
環境性能高め現場負担を軽減 関西ペイント
6月、自補修用オール水性有機則フリーシステム「レタンWBエコEVシステム4.0」を投入した。プラサフ、ベースコート、クリヤーの全工程で環境安全性を高め、現場の負荷を軽減したのが特長。作業記録を不要にするがん原性物質の未含有に加え、化学物質リスクアセスメントが定める吸入リスク2以下を達成。これにより不浸透性保護具の着用義務を免れるとともに個人ばく露の測定を不要にした。
第7位
スギCLT準不燃材料を開発 竹中工務店/カシュー他
竹中工務店、カシュー、長瀬産業、ナガセケミカルの4社は、スギCLTに難燃化塗料を塗布した内装向け準不燃材料を開発した。カシューが水ガラスを原料に難燃化塗料を開発。硬化すると透明塗膜を形成し、木材本来の意匠を保持する一方、熱を受けた際は発泡層を形成し、防火性能を発揮する。国土交通大臣認定の取得により法が定める内装制限が緩和されるため、幅広い用途での採用が期待される。
第8位
有機ジンク水性1液化を実現 ローバル
ローバルは、業界で初めて1液型水性有機ジンクリッチペイント(特許出願中)の基本技術の開発に成功した。水と高濃度の亜鉛末が接触すると水素ガスが発生するため既調合タイプの開発は難しいとされていたが、同社は亜鉛本来の防食性を損なうことなく、水素ガスの発生を抑えることに成功。これにより現場での混合作業が不要となる他、施工品質の向上に寄与する。2026年度の製品化を目指している。
第9位
塗装乾燥炉で水素バーナ採用 ヒートエナジーテック/桂精機
カツラグループのヒートエナジーテックの水素とLPガスを混焼した熱風発生装置が、同グループの桂精機製作所の山梨工場の粉体塗装ラインの乾燥炉における熱源として導入された。水素は燃焼時にCO2を排出しないため、塗装工場の焼付工程での次世代技術として注目されている。水素+LPガスの混焼、水素専燃、LPガス専燃の3つの切り替えが部品交換なしで可能、混焼率も切り替えができる。
第10位
塗膜耐食性評価の事業性検証実施 マツダ
自動車メーカーのマツダは、自社で開発・実用化している、金属塗装部品の防錆性能評価技術の事業性検証を開始した。一般的な評価法に対し、数分~数十分間の短時間で定量的な結果が得られる。また、測定器がコンパクトで持ち運びできるため、実際の建築物などへの屋外での評価試験が可能だ。塗料メーカーや、自動車を含めた塗装部品メーカーなどをターゲットに提案を進めている。
番外編
生成AI検索ツールを開発 日塗商
日本塗料商業組合は今年春、塗料特化型生成AI検索システム「塗料ナビ」のデモ版を会員向けにリリースした。組合社店の社員向けに開発を進めていたもので、話し言葉や音声で回答が得られるのが特徴。インターネット情報に同組合が独自情報として抱える塗料マイスター及び塗料調色技能検定テキストを照合させることで回答精度を高めた。本運用を開始するか否かについては、現在検討中。


