同じ志と悩みを抱えた仲間が集う 冨田康博会長に聞く
昭和会
昭和会は塗装業界の経営者と後継者で構成される団体で、これまで55年以上に渡り塗装業界に多くの人材を送り出してきた伝統と実績がある。「自己研鑽」「相互親睦」をモットーとする活動は受け継いでいく一方、会員数減少という課題に直面する中で会の情報の積極的な発信に取り組み始めている。同会にはどんな人達がいてどのような魅力があるのか、冨田康博会長に「推しポイント」を聞いてみた。
昭和会は塗装業界の経営者と後継者で構成される団体で、これまで55年以上に渡り塗装業界に多くの人材を送り出してきた伝統と実績がある。「自己研鑽」「相互親睦」をモットーとする活動は受け継いでいく一方、会員数減少という課題に直面する中で会の情報の積極的な発信に取り組み始めている。同会にはどんな人達がいてどのような魅力があるのか、冨田康博会長に「推しポイント」を聞いてみた。
昭和会は1970年、塗装会社6社の結成発起人によって設立された。以降「自己研鑽」「相互親睦」を2本柱とする活動を継続している。
入会資格は、東京都に本社または主力拠点があり日本塗装工業会(日塗装)東京支部に入会している会社の代表者、もしくはそれに準ずる者。会社単位ではなく個人が入会する仕組みで、活動に参加できるのは1社から1名のみ。
また、日本塗料工業会の正会員である塗料メーカーで、東京(近郊)の拠点で建設業・塗装業などに関する業種の担当部署に属する社員も入会できる。この場合も1社当たり1名となる。
現在は塗装会社22社、塗料メーカー6社の計28社の28名が所属している。
年齢の条件もある。塗装会社の場合は入会資格があるのは原則25歳以上~45歳以下で、満49歳で卒業するというルールだ。なお、塗料メーカーは年齢制限も卒業もなく事務局としての参画となり、会の運営方針を決める役員会に出席できる。
冨田会長は「昭和会を卒業後、業界団体で中心的な役割を担う活躍をされた先輩方は数多くおられます」と胸を張る。例えば日塗装の歴代会長は昭和会の卒業生が少なくない。また、日本橋梁・鋼構造物塗装技術協会の槌谷幹義会長や日塗装東京支部の多賀谷充支部長も昭和会OBだ。
昭和会最大のイベントが毎年6月に熱海で開催される「分科会発表会」だ。
「当会の活動の軸は『分科会』と呼称する研究活動です。年間テーマを1つ決め、これに対し全会員が毎月の1回の分科会を通じ知見を深めていきます。こうした研鑽をリードするのがテーマごとに任命される分科会委員長で、発表会は委員長が1年間の成果のまとめを発表する晴れ舞台なのです」と冨田会長は説明する。ちなみに、今年の分科会発表会では「事業承継」をテーマとする発表が行われた(写真)。
「昭和会での自己研鑽の山場は、分科会の委員長を務めること」だと強調する。「委員長が決めたテーマについて、インターネットで調べたり、AIに質問したりすればすぐに出てくるような事柄をツギハギするのでは意味がありません。規模や事業内容が多岐に渡る多様な会員の意見を傾聴し、他にはない自分たちだけの成果としてまとめ上げる。この経験は一生の財産となり、私の場合は仕事の進め方にも大きなプラスがありました」と述べる。
分科会以外にも、時事的トピックスなどの情報共有を図る勉強会や、年3回のゴルフ、会員の興味・関心の高いテーマの外部講師による講演を企画する研修会、会員の家族も招待して皆で楽しむファミリーレクリエーションといったいろいろな活動がある。
「すべての活動が自己研鑽・相互親睦につながると考えています。例えばゴルフは、マナー意識向上やOBとの交流を通じた目上の方とのコミュニケーションのトレーニングになります」とのこと。ちなみに、実は冨田会長自身は「ゴルフは別に趣味ではないのです」と明かす。「あくまで自己研鑽のためと割り切っています。会を卒業したらやらないかもしれません」と笑う。
会員減少と向き合う
昭和会が続けてきた取り組みは、塗装業界に少なくない影響を与えてきた。その一例が「〇〇昭和会」という名称の塗装業界の若手リーダーで構成される団体が全国に存在すること。一見すると、東京の昭和会と地方の「〇〇昭和会」は「本部-地方支部」のような関係性に見えるが実際は別組織だ。
冨田会長は「当会発足以前に塗装業界において『昭和会』という名称の団体はなかったはずです。当会の理念や取り組みに賛同し、自分達の地域でも同様の活動をしたいという人達が集まり、昭和会という名を冠する団体の設立が広がったと聞いています。また名称は別でも影響を受けたという団体は少なくないようです」と説明する。
冨田会長は昭和会の存在意義の大きさを誰より熟知している一方、会の運営が転機を迎えており、変えるべきところは変えていく必要性を感じている。「会員が減少傾向にあり、従前のような充実した活動が行えなくなる可能性があります」と懸念を口にする。
現在は会員獲得に向けたPR活動への意識を高めている。ポイントとして「自己研鑽」「相互親睦」に関して噛み砕いて説明し入会のメリットを分かりやすく伝えることを心掛けている。
「ビジネス上では競合する立場にあるとしても、分科会では1つのものを作り上げていく仲間になります。同じ業界にいて会社を牽引する立場にあるわけですから、似たような目標や悩みを持っており、それを忌憚なく話し合える関係は本当に貴重です。個人的には、加藤貴康副会長、中村郷太副会長の2人は互いに信頼し合える同志と言える間柄ですね。私が考える昭和会の推しポイント、それは『ここでしか得られない素晴らしい人間関係』だと思います」と笑顔でまとめた。
【冨田康博氏Profile】
出身:1978年、東京都生まれ
勤務先:冨田鋼装(代表取締役)
2026年の総会で昭和会第18代会長に就任。25歳5カ月で入会し同会で最長の在籍期間を誇る。2028年2月に卒業予定