3年連続伸長、"暑さ対策"牽引

高日射反射率塗料出荷統計

日本塗料工業会によると2025年度の高日射反射率塗料(遮熱塗料)の全出荷量は、前年比2.9%増の1万5,618トンと3年連続で前年を上回った。

昨年6月に労働安全衛生法において「職場における熱中症対策」を義務化する規則改正が施行。建築塗料市場全体が低調に推移する中、遮熱塗料が需要を牽引している現状が明らかとなった。

全出荷量のうち、建築用は3.0%増の1万5,429トンと3年連続の伸長、道路用は8.6%減の155トンと2年連続で減少した。なお本紙推計の遮熱塗料の市場規模(メーカー出荷額ベース)は、前年の約170億円から約175億円に増加した。

2025年度は、物価高騰の影響を受け、戸建て塗り替え需要が低調だっただけに遮熱塗料の伸長ぶりが際立つ。そうした市場環境を見越し、メーカー、施工会社とも工場、倉庫などを保有する企業営繕需要の取り込みが活発化している。

遮熱塗料の市場参入当初は、光熱費の削減を狙った省エネ効果を期待した採用が目立ったものの、近年は従業員に対する職場環境の改善を目的とした採用が活発化している点も興味深い。夏場の酷暑や法規則改正が需要を喚起しており、今後も市場拡大が期待される。

その一方で、塗料ディーラーを中心に遮熱シートやスポットクーラー、空調服など暑さ対策関連製品の提案を強化する動きも顕在化してきた。

日頃塗料を顧客工場に供給する塗料ディーラーにとっては、「納入業者としての関係性と機動力が生かせる」と顧客企業の暑さ対策を商機として捉える。塗料販売を下支えする新事業として可能性を広げている。