重防食塗料メーカーのジャパンカーボラインは、カラーリングが可能な湿潤面対応型塗装システムをこのほど確立、市場投入した。湿潤面対応の防食塗装でカラーリングをできる塗装システムが市場にまだなく、色分けによって機能を明示したい配管やデザイン的にカラーリングを施したい湿潤箇所などの需要を見込む。

今回確立した湿潤面対応型塗装システムは、フェナルカミンエポキシ樹脂塗料の「カーボマスチック615」と、同「カーボガード690」を組み合わせた仕様。

両品のベースであるフェナルカミンエポキシ樹脂は、下地の許容性が広い高性能のエポキシ樹脂で、塗装作業中の湿気の許容性に並外れた特性を持つ。このため結露や海洋環境で塗装箇所の表面が濡れていても、刷毛で水分を押しのけながら塗装でき強固に下地に密着、湿潤面への塗装の問題解決を図る。 

また、低温硬化性に優れ、速乾性のため施工時間短縮に貢献。MIOフレーク含有の迷宮構造による高い防錆力と塗膜強度を備えている。

「低温の液体を流す配管表面の結露や海洋環境における鋼材の表面など常に湿潤状態が強いられる箇所の防食塗装は難しく、メンテナンスが不可能なケースも多かった。フェナルカミンエポキシ樹脂塗料によりこの問題を解決、湿潤面の防食メンテナンスが行えるようになった」(担当者)と説明。冷たい水が流れている山間部の水圧鉄管のメンテナンスなどで実績が増えた。

更に今回、このフェナルカミンエポキシ樹脂塗料で調色可能なタイプの「カーボガード690」を独自に開発。湿潤面対応では従来、グレー色など防食塗色に限られていたが、カラーリング可能となったことで用途が拡大。

「例えば、内部に流れている液体の種類で配管の色分けをしたいケースや、現しで使用する鋼材面など湿潤面対応+カラーリングの要望に応えられる」(同)とし、市場への案内を始める。