自動車のプレミアムカラーに新色が加わった。カーメーカーのマツダは6月、独自の塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」による特別塗装色「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」を新たに開発したと発表した。今回開発した新色は、ソウルレッドクリスタルメタリック、マシーングレープレミアムメタリックに続く第3弾の塗装色。カラー層(発色層)には、新開発の白色顔料できめ細かい白さを表現した。塗膜の厚さを約3割削減することにも成功、省資源化も同時に達成した。

マツダは「カラーも造形の一部」という考えのもと、「鼓動(こどう)」というデザインテーマで、ダイナミックで繊細な面構成を際立たせるカラー開発に注力している。

今回開発した「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」は、雑味のないピュアな白さと粒子のきめ細かさで面による陰影表現を際立たせる金属感を両立した。匠塗を進化させることで、優れた表現性を持つ塗装色をカラー層(発色層)、反射層、クリヤー層の3層のみで量産化することに成功した。

カラー層(発色層)には、新開発の白色顔料で絹のようなきめ細かい白さを表現。従来、白系色は下地が透けやすく、他の色より塗膜が厚くなる傾向にあったが、新開発の顔料により、塗膜の厚さを従来比で約30%削減することに成功、省資源化や生産工程でのCO2排出削減にも貢献する。

反射層には、極薄の高輝度アルミフレークを含んだ塗料を均一に塗装し、乾燥過程で体積を大幅に収縮させる手法を採用。一般的な反射層の約15分の1である約0.5ミクロンまで極薄化した塗膜の中に、アルミフレークが一定間隔で平滑に並んだ状態を形成し、光の当たる面全体が強く輝くリアルな金属質感を表現した。アルミフレーク1つ1つを均一に分散しつつ、アルミフレークの角度をボディ曲面に並行に沿わせることで、明度の高い白であっても艶やかさと光が当たった時の陰影感を演出する。

今回開発した新色は、今夏欧州に導入する新型「マツダCX-60」をはじめとして、順次採用していく予定。国内には今年初秋に導入していく。