東海理化(本社・愛知県丹羽郡、社長・二之夕裕美氏)の音羽工場で、9月22日より自動車部品の塗装工程においてウエットエアー式空調機「WETCOMⅡ(ウエットコムツー)」の稼働を開始した。従来使用していた蒸気式空調機に対し、エネルギーコスト約65%、CO2排出量約73%の削減が見込まれている。

自動車分野をはじめとする、高精度かつ高度な塗膜管理が求められる塗装工程では、均一な塗装品質の確保のため、塗装ブース内部の温度・湿度を安定させる空調機が重要な役割を担う。

現状、こうした塗装ブースでは、温湿度調整が簡便かつ設備費が比較的安価な蒸気式空調機が使われることが多い。その一方で、蒸気配管のエネルギーロス発生によりエネルギー効率が低いことが課題となっていた。

「WETCOMⅡ」は、塗装設備メーカーのアンデックスと、中部電力グループの販売事業会社の中部電力ミライズが共同開発した省エネとCO2削減に貢献する高制御性空調機。

空気と冷温水を直接接触/熱交換させて冷却除湿と加熱加湿を行うウエットエアー式により、蒸気レスでも空気を十分に加温加湿できる。また、冷温水を作り出す熱源にヒートポンプを使用し、蒸気式よりも高エネルギー効率での運用が可能となっている。