韓国発の塗装シミュレーターを展開

BRTECH

自動車補修業界のペインターの育成にシミュレーション技術を活用する動きが出てきている。韓国のBRTECH社は独自開発の塗装シミュレーター「E-CO Painter(エコペインター)」の日本市場展開を進めており、今年4月には茨城県の水戸自動車大学校が採用し国内2例目の導入となった。

BRTECHは2017年に自動車のバッテリー関連技術をベースに立ち上がったベンチャー企業で、2022年に塗装シミュレーターの販売を開始。同社の担当者は「ハードとソフトを一体で提供できる技術力」を強みとして挙げる。

エコペインターは、自動車のフェンダー及びバンパーの3Dパネルを設置する本体とスプレーガン、塗装作業の解析結果を表示するディスプレイ、プログラム内蔵PCで構成される。

スプレーガンからは水もしくはエア(エアレスも可)が噴出され、3Dパネルに向かって塗装作業を行うとパネルが疑似的に着色される。色の重なりやタレ、ムラといった本物の塗料さながらの挙動が再現されるため実際の塗装と近い感覚が得られる。現在はプライマーサーフェサーとベースコートの塗装に対応している。

本体上部の12個のセンサーでスプレーガンの動きをトレースし、ディスプレイにスプレーガンの軌跡やパネルとの距離、角度、速度、膜厚などの各種データをリアルタイムで表示する仕組み。塗装結果に対する採点機能もあり、採点基準は任意で設定可能だ。

韓国では主に自動車関連の教育機関で導入されている。「熟練者の塗装技術を数値化し、それを採点基準とする定量的なトレーニングができることが大きなメリットになる」と担当者。また、実際の塗料を使わずに繰り返し練習できる点でも好評を得ているという。

日本では2025年に福岡の塗料ディーラーの大井産業が国内で初導入した。今年4月には2例目として茨城県の水戸自動車大学校が採用。鈑金塗装関係の情報を発信する動画配信者がエコペインターを紹介した動画に同校の塗装担当教員が関心を持ったのがきっかけとのこと。実際の塗装ブースを使った練習は時間も手間も要するため、より多くの学生が塗装に触れられる環境を整えたいというのが導入の理由だ。

「ユーザーからのフィードバックによって機能が拡充し続けており、有用性はますます高まっていくだろう」と担当者は自信を示す。例えば従来は全体塗装のみだったが、現在は損傷部位を設定してボカシ塗装を行えるモードを実装している。また、さまざまな塗料メーカーの製品の特性データを登録し、それに応じた塗装マニュアルの設定・保存も可能。カメラによる作業姿勢の解析への対応も進めている。