独自の「ナノ結合技術」を駆使した塗料の開発から施工までを手掛ける染めQテクノロジィ(茨城県猿島郡、社長・菱木貞夫氏)は、埼玉県・NTT東日本ら官民8者と「下水道管路マネジメントシステムの共同研究に関する協定」を締結した。3月10日に埼玉県庁にて協定締結式が行われた。
2025年1月、埼玉県八潮市で下水道管の老朽化が原因と考えられる道路陥没事故が発生した。これを機に埼玉県では、事故発生を未然に防ぐため、事前にリスクを予見し対応を行う予防保全の実現が喫緊の課題となっていた。
しかし、従来の下水道管路の維持管理の仕組みでは、「点検・調査」「解析」「補修」「データ(情報)管理」といった工程ごとに専門性や実施主体が異なるため、工程間の連携や情報共有が難しかった。
こうした状況の改善を目的に、県は「埼玉県下水道管路マネジメントシステムの共同研究」を公募し、NTT東日本埼玉事業所を代表とする民間事業者6社から成る共同研究体を選定。埼玉県、埼玉県下水道公社、共同研究体で共同研究協定を締結し、下水管路維持管理の「工程一体化DXモデル」創出に向けた取り組みをスタートした。
共同研究体はNTT東日本、NTT e-Drone Technology、NTTインフラネット、国際航業、日特建設、染めQテクノロジィで構成され、各社の保有技術を生かした研究テーマに取り組んでいく。目標は、点検・調査結果が補修判断・施工・記録までシームレスにつながりリスク情報が関係者間で共有化され、予防保全を前提とした総合的な維持管理運営へと転換することだ。
染めQテクノロジィは、独自開発の新素材を用いた高密着塗料による既設下水道管路の劣化箇所の修復強靭化と再生延命を担う。塗料の成分をナノ粒子化することで対象の細かな凹凸への追従が可能となり、強固な付着力を発揮する。これまで、橋梁やトンネルといった社会インフラの躯体の再生延命で実績がある。
現状は下処理後にスプレーガンで吹き付ける施工を想定している。対象が濡れていても密着性は問題ない。汚れは洗浄する方が望ましいが、工期短縮のため洗浄レスでも効果を発揮できる技術開発も視野に入れている。
また、管路内は硫化水素ガスが存在するため人の作業にはリスクがあり、可能な限りの短工期を目指すとともに、ロボットなどを駆使した省人化・無人化工程の検討も進めていく。
共同研究体の他の5社の役割は、NTT東日本は研究全体の統括、NTT e-Drone Technologyはドローンによる下水道管路内情報取得とAIによる劣化箇所検知、NTTインフラネットは点検情報管理ツールの検討、国際航業は管路の3D化技術などによる県民への情報見える化、日特建設は長距離圧送吹付技術を用いた補修技術の高度化となっている。
共同研究の期間は2027年度末まで。大まかなスケジュールとしては、最初の1年は各社それぞれの取り組みをブラッシュアップし、残りの1年で連携の在り方を検討して結果につなげていく見込みだ。
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