「国際オートアフターマーケットEXPO2026」(IAAE2026)が2月12~14日にわたり東京ビッグサイトで開催された。会期中に会場内の塗装ブースで行われた塗装実演において、関西ペイント、日本ペイント、ロックペイントの3社が女性ペインターを起用したデモンストレーションを行い、注目を集めた。各社の狙いは、自動車補修を「(女性を含めた)誰もが活躍できる」仕事として打ち出すこと。安全安心な作業環境や作業性・生産性を両立させる提案を訴求した形だ。
あらゆる産業分野で人手不足が課題となっており、自動車補修の鈑金塗装業界においてもペインターの確保が難しくなっている。その解消策の1つとして、女性ペインターの採用・育成への関心が高まっている。
ただ、女性労働基準規則では妊娠や出産・授乳機能に影響がある特定の化学物質が一定濃度存在する環境下での女性の就業を規制しており、対象には溶剤系塗料で使用される物質も含む。
鈑金塗装業への就労が女性にとって魅力的な選択肢となるには、健康リスクの心配が少ない、安全安心な作業環境の構築が重要となる。具体的には、健康リスクのある物質の濃度低下や暴露対策への取り組みが求められる。
今回のIAAEでは、関西ペイント、日本ペイント、ロックペイントが会場内で行われた塗装実演に初めて女性ペインターを起用し、注目を集めた。
関西ペイントは、健康リスクが低く、安心して働き続けられる職場環境構築に貢献できるとして、オール水性有機則フリーシステム「レタンWBエコ EV システム4.0」を提案。水性のプラサフ、ベースコート、クリヤーの塗装を実演した。
実際に塗装作業を行ったのは、自動車補修分野の技術部門に所属する塗装歴数カ月の女性スタッフ。塗装歴10年のベテラン男性スタッフも塗装ブースに入り、全体の進行のサポート役を務めた。
日本ペイントは、水性カラーベース「nax E-CUBE WB」及び作業性と磨きやすさが特徴の2液溶剤系耐スリ傷性クリヤー「nax イージス(3:1)TSクリヤー3」によるハイブリッド水性システムの塗装を実演。塗装歴10年の経験豊富な男性スタッフが同2年の女性スタッフを指導する形式で作業を進めた。
今回の実演について同社は「労働力不足は業界の課題であり、女性ペインターは解決策の1つだと考えている。『水性塗料や高生産タイプ塗料の普及による労働環境改善』『きめ細かい指導での現場サポート』という2つの観点から女性ペインターを支えていきたいとのメッセージを込めた」と説明した。
ロックペイントは環境負荷低減と使いやすさを兼ね備えた製品を提案。水性ベースコート「ネオウォーターベース」及び低温硬化性向上による高生産性と高外観を両立したアクリルウレタンハイソリッドクリヤー「エコロック グランドクリヤーPLUS LH」の塗装デモを行った。
普段は営業系の業務に従事している塗装歴1年未満の女性スタッフが作業を行い、20年以上の経験を持つ男性スタッフが監督兼フォロー役を担った。
「女性をはじめ誰もが活躍できる塗装現場を提案したいとの意図で、塗装経験の浅い社員を起用した」と今回の実演の目的を説明した。
なお、各社とも独自の自動調色システムの提案にも注力した。デジタル技術活用で知識や経験に依存せず同じ調色結果を出せることを打ち出した。
瞬乾クリヤーや自動調合も
展示会ではイサム塗料及びアクサルタ コーティング システムズもそれぞれ塗装実演を行い、最新の取り組みを披露した。
イサム塗料は、調色管理測色システム「彩選短スマート」のCCM機能による調色から、水性1液ベースコート「CRONOS HD」及び「ポリウレアクリヤーNB」の塗装までの一連の作業の実演を行った。
「CRONOS HD」はウェットオンウェットに対応し、「ポリウレアクリヤーNB」は強制乾燥不要による"瞬乾"が特徴。省力化・作業時間短縮支援につながる製品としてPRした。
アクサルタは、次世代多角型分光測色機「Axalta Irus Scan」と全自動調合機「Axalta Irus Mix」を連携した実演を実施。「Irus Mix」の実機が設置された宇都宮トレーニングセンターと中継をつなぐ形で行った。
「Irus Scan」は測色結果に対し、200万色以上を登録した塗色配合データベースから最適な配合データを出力できる。「Irus Mix」はこの配合データの調合が可能。これらにより、測色、検索、調合の一連の作業がすべてデジタル化できる。




