関西ペイントはETC用電波吸収体の製造・販売を行うウェイベックスと共同で運転誤操作による自動車の衝突防止及び自動運転に使用されるミリ波レーダー(76~77GHz)を吸収するシート型電波吸収体を開発した。自動車の衝突防止や自動運転の安全性向上に寄与する材料として販売を拡大させていく。

同品はアスペクト比(誘電顔料の長径と短径の比)の小さい高誘電材料を従来より均一に樹脂に練り込んだシートを高耐候性の意匠フィルムと電波を反射する金属箔で挟み込んだ構造。電波のエネルギーを熱に変換することで、-20dB(電力比99%)以上の電波を吸収する。

また、厚さ0.4mm、重量67g/25㎡と従来品に比べ厚さは10分の1から30分の1、重量は3分の1から5分の1と薄膜、軽量化した。更に、表面保護フィルム「ファンタック(商品名)」との組み合わせにより、20色以上のカラーバリエーションを実現した。垂直面から40°までの斜入射する電波も吸収する。

近年ミリ波レーダーを搭載した自動車が増える一方で、この電波が反射する可能性のあるコンクリート壁上面やトンネル、表示板などのインフラ設備に当たり、予期しない反射で誤作動を起こすことがあった。従来の電波吸収体は大きさや耐久性に課題があり、使用可能な場所に制限があった。

今後は吸収帯域巾の広いタイプや自動運転近接レーダー用(77~81GHz)のシート型電波吸収体の販売も予定している。