第1位
塗料出荷量4年連続減 2024年度塗料出荷統計

2024年度の塗料出荷数量は対前年比1.6%減の148万1,563トン、出荷金額は1.5%増の7,432億8,500万円となった。原材料価格高騰に伴う価格是正で出荷金額は上昇傾向をたどる一方、販売数量は4年連続の減少。高止まりを続ける原料市況の中、メーカーの収益性への影響が拡大している。収益性確保に向けた生産補完、協業展開も進みつつあり、事業再編に向けた気運が高まりつつある。

第2位
神東塗料を連結子会社化 大日本塗料

大日本塗料は3月、住友化学が保有する神東塗料の株式(50.1%)を取得し、連結子会社化した。同社が2029年ビジョンに掲げる売上高1,000億円の具現化と収益率向上が最大の目的。サプライチェーン改革により2029年度までに15億円のコスト改善効果を見込む中、7億円のシナジーを見込む生産協業が鍵を握る。総合大手塗料メーカー同士の生産協業の行方に関心が集まる。

第3位
住宅塗装市場襲う2025年問題 団塊の世代が抜け、需要減退加速

建築用塗料・塗装市場を長らく支えてきた戸建て住宅の塗り替え需要の減退が鮮明になってきた。団塊の世代が全員後期高齢者となり、住宅塗り替え需要をけん引してきた最大の客層が市場から退出。その影響が建築汎用塗料の販売減となって表れた。客数の減少に加え、外壁材の高耐久化により住宅の塗り替え需要の減退が加速すると予測、警戒が広がっている。住宅塗り替えビジネスの転換点を迎えた。

第4位
団体交渉妥結18.8%値上げ 日車協連

処遇改善を求めて2024年から進めていた日本自動車車体整備協同組合連合会による損保大手4社との団体交渉が今春、妥結した。最大手の東京海上日動は、指数対応単価(工賃)平均18.8%の値上げで決着。残り3社も値上げを受け入れた。指数対応単価は、車体整備工場と損保で交わす見積り指標で資材高、人材難に悩む日車協連側にとっては収益改善に寄与する。団体交渉は今後も継続する方向。

第5位
日塗装完工高、1兆円突破 改修需要が塗装市場けん引

日本塗装工業会の会員会社(2,262社)による年間完成工事額(完工高)が1兆円の大台を超えた。同工業会が今年3月に発表した2024年度の完工高は、前年度比105.7%の1兆42億円となり、1997年以来27年ぶりに1兆円の大台を突破した。完工高が底を打った2011年に比べて3割以上規模が拡大。既存建築物の膨大なストックを背景に、建物の改修需要が塗装市場をけん引している。

第6位
塗料販売店のM&Aが加速 事業承継に向け気運高まる

今年4月、建築系塗料ディーラーの荻野化成(神奈川)が宮城県仙台市に拠点を構えるミナクチ(宮城)を吸収合併した。ミナクチは、創業92年を数える老舗塗料販売店。荻野側の申し出をミナクチが承諾した。この他にも榊原(愛知)が5年間で6社のM&Aを実施するなど、塗料販売店同士によるM&Aが活発化。後継者の有無に関わらず、事業承継策としてM&Aが目立ってきた。

第7位
建築用遮熱塗料、職場改善で伸長 熱中症対策でさらなる普及も

日本塗料工業会による調査で、2024年度の建築用遮熱塗料の出荷量が前年度比5.4%増の1万4,978トンとなり、3年ぶりの伸長となった。需要を後押ししているのは企業の職場環境改善の取り組み。暑さ対策として非電力で導入できる遮熱塗料への関心が高まっている。今年6月1日からの改正労働安全衛生規則の施行で職場の熱中症対策が義務化され、今後もこの流れが加速していくと見込まれる。

第8位
関ペ販売と久保孝ペが統合 グローバル強化の基盤強化

関西ペイントは粉体塗料事業のグローバル展開を強化するため、来年4月1日付で100%子会社の関西ペイント販売と久保孝ペイントを統合する。同社が展開する欧州やインドの粉体塗料需要は旺盛であり、事業活動の主戦場となっている。今回の統合はそうした海外拠点との連携をより円滑に進めるための基盤づくりが狙い。国内ではリソースの重複を見直すことで、製品品質と顧客サービスの向上を図る。

第9位
意匠戦略強化、ショールーム開設 カドワキカラーワークス

粉体塗装のカラーデザイン戦略で事業拡大してきたカドワキカラーワークスは、更なる成長に向けて新たな局面に入っている。昨年10月に内装のテクスチャーペイント施工に特化するHUSを子会社化、それに伴って今年1月に東京都江東区にショールームを開設した。富裕層ビジネスの盛り上がりを背景に、外装及び内装での意匠性仕上げを訴求。顧客にラグジュアリー空間を提供する戦略を推進する。

第10位
対等合併を発表、世界2位に浮上 アクゾノーベル/アクサルタ

塗料世界3位のアクゾノーベル(オランダ)と6位のアクサルタ・コーティング・システムズ(アメリカ)は11月18日、株式交換による対等合併を実施し、新会社を設立すると発表した。両社の合併により売上高は約170億ドルに達し、PPG(アメリカ)を抜き、世界2位に浮上する見通し。企業価値は250億ドルに上るという。合併手続きの完了は2026年後半から2027年初頭を見込んでいる。

番外編
人材獲得へ年間休日数が増加 塗料販売店時事アンケート

本紙は7月に塗料販売店を対象に景況アンケートを実施。年間休日数について尋ねた。その結果「116日~125日」が53%と半数を超え、「125日以上」と回答した9%を加えると6割以上が116日以上となった。2019年に実施した同調査では、「101日~110日」が46%と最も多く、「111日~120日」が27%とその差は歴然。人材採用、安定雇用の観点から完全週休2日制の導入も増加している。