同社は墨東建材工業(本社・東京都葛飾区、工場・埼玉県越谷市、代表取締役社長・田坂芳郎氏)の現地工場として2008年6月に設立、翌年9月から稼働。工場はビンズン省のベトナムシンガポール工業団地に立地する。敷地面積は7,300㎡、工場面積は2,160㎡。従業員数は60名(日本人は工場長と営業補佐の2名)。

営業品目はアルミパネル製品及びアルミ形材製品で、年間出荷平米数は2014年では1万6,392㎡であったが、工場増築及び2交代制の24時間稼働にした結果、2015年は3万2,800㎡に倍増した。

工場の機械設備及び可能能力については「日本とそん色ない。扱っているのが日本人かベトナム人かの違い」(柴田悟工場長)。工程は材料入荷→受け入れ検査→材料切断→タレパン加工→曲げ→溶接→仕上げ→日本へ出荷し、日本の協力工場で塗装(溶剤系)仕上げを行う。粉体塗装の場合は協力工場のベトナム・サクセス社や台湾系工場で行い、溶剤ふっ素樹脂塗装を現地で行うときには越南華陽金属で塗装している。

同社では日本市場で大手ゼネコンが手掛ける建築物件での実績を重ねており、「アルミ建材への粉体メタリックカラーの評判が良いので、これを積極的に提案していく」(田坂社長)。

現状は日本の物件のみだが、今後はベトナム市場への展開を見据える。「販売ライセンスの取得も決まり体制は整いつつある。日本の有名な建築家のプロジェクトの話もあり、ベトナム市場での高級グレード需要も期待できる」として事業拡大を目指す。