コンセプトは『つながり』『共感』
カラーフォーキャスト2018

関西ペイントは12月13日、同社東京事業所で「グローバル・カラーフォーキャスト2018」の発表会を行った。カラーフォーキャストは建築分野、特にインテリアシーンに向けて同社グループが流行色を選定して世界的に発信している取り組みで、国内では昨年に続いて2回目の開催。色とデザインの魅力を発信し、国内建築塗料の課題である「内装需要の創出」につなげたい狙いがある。


カラーフォーキャストは、近い将来の流行色を選定してカラートレンドから需要を誘導するための取り組みで、海外の塗料メーカーのマーケティング活動として定着している手法。景気や世相、ファッションなどさまざまな要素を分析して流行色を予測し、消費者が共感するストーリーを組み立ててカラートレンドを発信、その良否が塗料の販売にも影響する重要な活動だ。

プレゼンの始めに同社上席執行役員の中野佳成氏(写真)があいさつに立ち「海外80カ国、110社の連結対象ネットワークを構築してグローバル展開を進める中で、各地域の色のトレンドをリサーチして情報発信をしてきました。その1つの活動として昨年、『カラーフォーキャスト2017』を国内で初めて開催、今回は2回目になります。成熟化した国内建築塗料市場に向け、色の魅力、価値を発信することで課題であるインテリアペイントの需要創出につながると期待しています。今回の『カラーフォーキャスト2018』では、世界情勢が不安定な中で、人々が本来欲している『つながり』『共感』といった感性、感覚を重視し、暮らしの中に夢と希望、落ち着きと安定感を実感できる空間づくりをテーマに色を選定、世界に向けて発信してまいります」とカラーマーケティングについて説明した。

関西ペイントのカラーフォーキャストは、世界各国のグループ会社のカラーリストが南アフリカの子会社・プラスコンに集結してグローバルカラーミーティングを開催、世界に向けて発信する同社グループのトレンドカラーを選定している。そこで決められた2018年のカラーフォーキャストを同社・商品企画部の宮川理香部長がプレゼンテーションした。

カラーフォーキャスト2018の選定に当たっては、世相や人々のライフスタイル、思想の変化などを反映した6つのキーワードをたたき台に4つのテーマのカラーパレット(色の組み合わせ)を選定。

「EXOTIC EUPHORIA(エキゾチックユーフォリア)」は都市部の狭いスペースに住む人たちに自然とのつながりの大切さを思い出させてくれるカラーパレット。

「SOFT COMPOSITION(ソフトコンポジション)」は無駄をそぎ落としたミニマリストの思想を反映した色の組み合わせ。過剰な消費を抑えたミニマムな空間を創り出す。

「CRAFT SPIRIT(クラフトスピリット)」は境界を越え、すべての文化を共有することをテーマにしたカラーパレット。無秩序と暴力を中和する効果のある暖色系の色合いが印象的だ。

最後に「HI-GLO(ハイグロー)」は若者の文化が与える強い個性と創造性を表現。濃いパープルと鮮やかなネオンカラーというように型破りな組み合わせでありながら人と人との共感を生むカラーパレットに仕上げた。

そして、カラーフォーキャスト2018を象徴するイヤーオブカラーは「AMADEUS(アマデウス)」に決定した。「黄味がかったアースカラーで空間にまとまりをもたらす色。クラシカルな落ち着いたカラーパレットや大胆なアクセントカラーとともに使われる色で、色彩心理的には活気や温かみを感じさせる色。リビングやキッチンなど人が集う場所に最適です」(宮川氏)と説明。『つながり』『共感』を体現するシンボル色として展開していく。

一方、自動車向けの「グローバルアドバンスカラー2018」の発表も昨年と同様に行われた。同社CD研究所が2~3年先の自動車の提案色を開発し、トレンドを誘導していく取り組み。

今回発表したアドバンスカラーのコンセプトは「What's happiness」。スマートフォン1つであらゆる情報にアクセスでき、人々の選択肢が増えているからこそ「自分にとって本当に何が大切か」を考える時代に見えてきた3つのテーマで自動車の塗色を提案した。

人との共感によって幸せをつかもうとする「Empathy」をテーマに開発した塗色は、多くの人が幸せを感じる明るく華やかな色をコレクション。自分の考えを大事にして喜びを得ようとするテーマ「Sense」では五感を刺激する塗色を開発。そして、自分自身に向き合い幸せを見つけようとするテーマ「Own」では上質でさりげない魅力を持った塗色を提案した。近い将来、今回発表したボディーカラーのクルマが世界中の道で見られるかも。



関西ペイント上席執行役員の中野佳成氏
関西ペイント上席執行役員の中野佳成氏
イヤーオブカラーの「AMADEUS」
イヤーオブカラーの「AMADEUS」
「Empathy」をテーマに開発した塗色は明るく華やか
「Empathy」をテーマに開発した塗色は明るく華やか
すべての文化を共有することをテーマにした「CRAFT SPIRIT(クラフトスピリット)」
すべての文化を共有することをテーマにした「CRAFT SPIRIT(クラフトスピリット)」

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