イサム塗料は同社の全事業領域に色彩戦略を導入し、「イサムカラー」を全面に打ち出していく。「カラーのブランド化を図り、B to Bとその先にあるB to Cにブランドを浸透させていきたい」(古川雅一社長)意向。

「イサムカラー」のシステムは、測色機「彩選短」のCCM(コンピューター・カラー・マッチング)機能を生かし、自補修の他、工業用、建築用の調色データを入れ、ユーザーが簡単にテストピース測色と配合計算を行えるようにする。測色→配合→テストピースと照合→データベースの記録と保持―をシステム化する。

CCM調色では、近似色データの検索・選択に比べ、微調色補正を計算するため、テストピースを色に近づけるキャリブレーションが可能になる。このため色合わせ精度の向上に加え、スピードとともにペイントカラー加飾の領域を拡大する効果が見込める。

また、自補調色データは一般工業用や建築用にはないカラーバリエーションがあり、パールマイカ、高輝度高光沢メタリックを提供することで、これまでにないカラーデザインを付与し商品の付加価値を高めることができる。

同社は既にアクリルウレタン系塗料「ハイアートCBエコ」、水性「アクアシャインGA」でこのシステムを採用し、工業分野の需要開拓に着手、建設機械で採用されている。今後、工業用の幅広い分野で「イサムカラー」の採用を働きかけていく。

建築用ではハイブリッド型光触媒内装用「エアフレッシュ」が着実に伸長。新しいカラースキーム100色セレクションを作成した。淡彩色から濃彩色までの人気色をカラーパレットにしており、「イサムカラー」のバージョンとしていく。古川社長は「ユーザーのカラーデザインにからむと同時に、生活者のライフスタイルに寄り添った色彩提案を訴え、素材としての塗料から色彩事業へのシフトを進めていきたい」とコメント。