粉体塗装デザインの世界戦略
タイの加工会社と提携

カドワキカラーワークス(本社・神奈川県横浜市、代表取締役・門脇正樹氏)は粉体塗装カラーデザインを生かしたグローバル展開を推進する。来年からタイの加工会社と新たに提携し、粉体塗装カラー「KADOWAKI innovative color&surface」のブランド戦略を立ち上げる。国内に拠点を構える工業塗装専業者として、市場を国内に限定せずグローバルに見据えた新たなビジネスモデルの構築を目指す。


同社は塗装設備を有するタイの加工会社と提携することが決まっており、来年1月に本契約を締結し、本格的にビジネスがスタートする。タイの加工会社にとってはカドワキカラーワークスが持つ粉体塗装カラーデザインを使用でき、カドワキカラーワークスとしては技術面と品質面で信頼できる加工会社と組めるメリットがある。

今回の提携で同社の狙いは大きく2つある。1つは生産コストを抑えられる海外工場との連携。もう1つはカドワキの粉体塗装カラーデザインを日本以外の市場に広げることだ。

1つ目に関しては直近の課題でもあった。同社はこれまで培った粉体塗装のカラーデザインと意匠性に優れた仕上げをセレクトしとりまとめた色見本帳「KADOWAKI innovative color&surface」(通称:イノベーティブカラー)を作成し、建築内外装材や意匠性パネル、工業製品に向けた提案を本格的に始めている。

その中で、「デザイン会社や設計事務所からイノベーティブカラーの評判はとても良い。ただその一方でコスト面で割高になってしまい採用しにくいとの声もあった」と門脇社長。

今回の提携により、加工から塗装仕上げまで海外で一貫生産することができ、物流コストを考慮しても国内で生産するよりもコスト抑制になる。意匠性が求められるビルや商業施設などの建築内外装材で採用を増やしていく体制が整うことになる。

提携のもう1つの狙いはイノベーティブカラーのグローバルブランド化だ。提携先は自らの事業展開の中でイノベーティブカラーを使用することができ、タイ国内だけでなくその他の東南アジアへの展開も見据える。

門脇社長は「ロイヤリティの契約は結ぶがそれは大きな目的ではなく、イノベーティブカラーの広がりに期待している。海外のビルではデザインの自由度が高く、最近は意匠性ニーズも強くなっている」と広がりを期待する。

東南アジアで広がりが見られれば、その他の国でも同様の提携ビジネスに取り組む意向。「そこから別のビジネスチャンスが生まれるかもしれない。チャレンジする姿勢が大切」との考え。

同社の海外ビジネスは今から約10年前、金型加工を中国の工場に委託することからスタートした。工業製品において、塗装だけの受注では受注単価の面で厳しくなり、加工から塗装まで受注するスタイルに変更していった。

また、粉体塗装に意匠や柄を熱転写するシステムに関しては台湾の企業と連携した取り組みを行っている。同社が国内で顧客とデザイン決めを行い、量産に移れば台湾の工場で生産(加工、粉体塗装、熱転写)する仕組み。

今回のイノベーティブカラーに関する提携も含めてさまざまな形で海外企業と事業を進めている。その理由は「塗装だけでは当社がやりたい仕事は取れない」からであり、「顧客の要望に対応しようとした結果が今のスタイル」として、今後も粉体塗装カラーデザインの普及に向けた加工から塗装までのビジネススタイルを追求する。



KADOWAKI innovative color&surface
KADOWAKI innovative color&surface

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