日本パウダーコーティング協同組合は11月18日~21日の4日間、ベトナムの企業視察ツアーを開催した。共催はコーティングメディア。今年はハノイ市を中心にハイフォン市など北部地域の3企業の粉体塗装ラインを視察した。

近年、ベトナムは急激な経済成長を示し日本企業の関心も高い。日本貿易振興機構(JETRO)のデータによると、2016年の日本企業の投資件数は574件、投資額は25億1,000万ドル、進出企業は1,637社と活況を呈する。

今回訪れた首都ハノイの人口は年々増加しており現在は750万人を超える。市内は住宅の建設ラッシュに加えて道路や橋梁などインフラ整備が急ピッチで進行。近郊の工業団地には中国からの生産拠点移転やベトナム国内への事業展開を見据えて工場を構える企業が増えている。視察した3企業をレポートする。

今回の視察では各社から人材確保及び離職に課題を挙げる声が目立った。現在この地域に工場を構える企業における共通の課題のようだ。その大きな理由は、サムスンやLGなど韓国資本の工場拡張の動き。そうした工場では1万人以上の大規模な採用を実施しており、比較的賃金の高い日系企業でも、「新しい応募をしても人がなかなか来ない」(日系企業トップ)と苦慮する。