「ペイントならではの色を"体感"してほしい」―そんな思いのこもったショールームがオープンした。オーストラリアの意匠性塗料「ポーターズペイント」の日本総代理店・NENGO(神奈川県川崎市、社長・的場敏行氏)が開設した「PORTER'S PAINTS SHOWROOM」だ。光と影によって千変万化する色のダイナミズムを余すことなく伝え、その魅力やおもしろさを体で感じることができるショールーム。ポーターズペイントならではの色の魔力で、訪れる人の感性を刺激する。
今回「PORTER'S PAINTS SHOWROOM」がオープンしたのは川崎市高津区の複合商業施設「BOIL」の3階フロアー。これまで本社内にあったショールームを近隣の同所に移転・リニューアルし、7月23日にオープンした。
移転先のBOILは、築50年のビルを同社が運営企画・リーシングしている複合商業施設。レトロとモダンが融合した情緒的な空間が人を引き寄せ、新たな文化が湧き上がる拠点として「BOIL(沸騰)」と命名。同地初のブルワリーや、ブレイキンのメッカに開設したダンススタジオなど人気のテナントが既に入居しており、今回のショールームのオープンで、BOILの熱量がますます高まりそうだ。
その主役となるのが「ポーターズペイント」。オーストラリアの塗料メーカー・PORTER'S PAINTS社が40年ほど前から製造販売している意匠性塗料で、オーストラリア発のユニークな塗料として世界に進出。国内ではNENGOが総輸入代理店として2001年から展開、実績を重ねてきた。
最大の特徴は、独自の発色技術による色と風合いだ。色づくりに関しては、通常の塗料メーカーよりも多い16色の顔料を駆使。中でも、「PORTER'S PAITS社だけにしかないオリジナル顔料が発色のポイント。アースカラー系の顔料が織りなす落ち着きと安らぎ、深みや柔らかさが視覚を通して心に響きます。そして、光を受けてつくり出す柔らかな陰影や無限の色彩は、ポーターズペイントならではの表現力」と、NENGOの山口円マネージャー。こうした、「ポーターズペイントならではの色の魅力を体感してほしい」との思いが込められている。
「色」の世界に引き込むゾーニング
今回開設したショールームのコンセプトは"ミュージアム"。フロア面積約200㎡の中に、「色を感じ、楽しめる8つのゾーン」を設置した。
エントランスから足を踏み入れた「ロビー」は、敢えて漆黒の空間とした。色を感じられない世界から始まることで、その後に訪れる色と光の世界のインパクトがより強くなる仕掛けだ。
ロビーから足を進めた「ゲストルーム01」は、住宅の室内をイメージした。人が心地良さを感じるベージュを基調とした安らぎの空間。夕刻にはベージュの赤みと黄みの色が増幅し、夕日を彷彿させる美しい色に出会える。
その先に設えた「ゲストルーム02」は、設計やデザイナーなどとの打ち合わせルームをイメージ。ここでも光の波長に合う壁面色を塗り分け、空間設計のアイデアが刺激される色やテクスチャーをチョイスした。
また、室内の照明の選択による色の見え方の違いを体感できる「シミュレーションルーム」も用意。色温度の異なるさまざまな照明と色との関係をビジュアルで確認できる空間だ。
更に、色づくりを体験できる「LABO」では、世界にひとつだけのオリジナル色の創作にもチャレンジできる。ポーターズペイントの専用調色機で色づくりを体験することで、色の奥深い世界に触れることができる。
他にも、各種建材と塗装との組み合わせを検討できる「ライブラリー」、本物の自然の中に置かれた表情を確認できる「コートヤード」、茶室のような侘び寂びの中で色を感じられる「サロン」など、色のポテンシャルに触れられる多彩なゾーンを設けた。
そして、これらのコーナーを巡る中で強く印象づけられるのは、やはり色のダイナミズムだ。例えば、薄いグレーの天井が窓からの夕日を受けてピンクに染まる光景、植栽からの木漏れ陽でやさしく揺らぐ壁の色、間接照明の光をよりドラマチックに引き立てるシーンなど、光と影によって千変万化する色のダイナミズムをまさに"体感"できる空間となっている。
「光と色との関係をよりダイナミックに表現できるポーターズペイントだからこそ、このショールームを設えました。これまでの概念を超えた上質な空間を体感していただき、ポーターズペイントのファンを増やしていきたい」(山口さん)と自信をのぞかせる。
なお、ショールームの見学や施工の打ち合わせは予約制となっており、詳細はPORTER'S PAINTS WEB
HOMEインテリア / DIYトピックス:塗装の概念超えた上質な空間づくり