粉体塗装に特化するカドワキカラーワークス(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:門脇正樹氏)は、水性デコラティブペイントを手掛けるHUS〈ヒュース〉(本社:東京都江東区、代表取締役:田島大輔氏)を子会社化したことを契機に、昨年1月から内装事業を本格的に開始している。
数カ月の期間を要する大型現場から個人住宅など小さな現場まで幅広く対応しており、月に常時5物件ほどを手掛けている。門脇社長は「クロスの文化だからこそ、塗装の文化を浸透させ甲斐がある。デコラティブペイントは無限の可能性がある」と事業拡大に手応えを感じている。
知られていないことの強み
HUSはヨーロッパの意匠性塗料を用いたデコラティブペイントを得意としており、個人住宅や店舗などを手掛けることが多かった。カドワキカラーワークスのグループ会社となったことで、ゼネコン関連の大型建物の内装やエントランスなど手掛ける現場の幅が広がっている。その背景にあるのが意匠性ニーズの高まりだ。
田島社長は「これまではストレートペイント(単色)もあったが、昨年の物件はすべてデコラティブペイント。一般の方もInstagramなどから探して問い合わせをいただく。個人家のトイレ4面だけといったケースもある」と内装空間に意匠性仕上げを求める声の高まりを感じる。
門脇社長も同様の傾向を感じているという。「粉体塗装パネルと合わせた意匠性提案を行う中で、デザイナーでも意匠性の要望が増えている。例えばマンションでは高付加価値化の傾向があり、そうした物件では『クロスは使いたくない』との声を聞く。特に海外のデザイナーは塗装を好む。今までは"いかに安く作ってそれなりの価格で売るか"だったが、富裕層向けに販売するマンションなどでは"良いモノをつくって価値を提供する"傾向が顕著」とのトレンドをとらえて、内装事業の展開を強化する考えだ。
日本の内装市場ではクロス仕上げが圧倒的だが、この1年間の事業を行う中で、工業分野を主戦場にしていた門脇社長には魅力的な市場に映る。
「私自身、デコラティブペイントという塗料を詳しく知らなかったのでびっくりした。(ゼネコン、サブコン、設計事務所などの)お客さんもこんな仕上げができることを知らないので、どこに行ってもびっくりされる。それはクロス仕上げが当たり前だったから。日本が"塗り"の世界ならこれから広げるのは難しいが、クロスの文化だからこそ、塗装の文化を浸透させ甲斐がある」と需要創造に取り組む。
そのため、「まず、当社としてはデコラティブペイントを知ってもらわないといけない」との考えだ。
昨年1月に東京都江東区にショールームを開設。特殊粉体塗装「Ki color」や水性デコラティブペイントを紹介している。ヨーロッパからデコラティブペイントを輸入しそれらを実際に仕上げて展示する。更に「デコラティブペイントは基本的な意匠技法はあるが、基本をくずして見せる場合もあり、それをショールームに飾っている」(田島社長)と多彩な仕上げを提案。一般的にショールームは白などの抑えたカラーが多いが、同社ではあえて奇抜な色を用いた空間としている。
B to Cで『職人の満足度』
ショールームはゼネコンやサブコン、設計事務所との打ち合わせで活用することも多いが、一般向けでも活用していきたい考え。なぜなら内装事業の成長に向けてはB to C領域の拡大が重要と位置付けるからだ。
門脇社長は「B to Bビジネスは価格対応が常に伴う。塗装する平米数が大きくなれば価格はシビアになっていく。B to Cであれば価値を直接理解してもらえる」との見方を示す。
施工する職人にとってもB to Cは魅力と田島社長は言う。「お客さんの反応が直接感じられるので、職人の満足度が非常に高い。感動してもらえると、やる気にもつながる。次の職人を育てる意味でも大きい」と感じている。
門脇社長は「クロスが主流なのはチャンスと感じる。『塗装でこんな仕上げができる』と設計者や個人に向けて発信力を強めたい。デコラティブペイントは無限の可能性がある。一般の方と仕事ができる魅力がある」との見方を示し、カドワキカラーワークスとHUSが融合しながら内装市場で新たな価値創造を図っていく。
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