関西ペイント販売東北販売部は9月11日、夢メッセみやぎにおいて「2025年秋の建築セミナー」を開催した。今回は、「塗料・塗装業界の現状と10年後の未来予想図」をテーマに本紙の泉記者が講演した他、今春発売した「ラグゼMUKIシリーズ」の展開報告、外断熱工法「Zウォール」による猛暑対策提案などのメニューを盛り込んだ。塗料販売店や塗装業者、リフォーム業者など90社154名が参加した(Web参加含む)。
同社東北販売部の育村芳英部長は開会のあいさつで、「歴史には30年ごとに繁栄と破壊を繰り返す『30年周期説』というセオリーがあるといいます。1930年から60年は戦争による破壊の時代、60年から90年は高度経済成長からバブル期に至る繁栄の時代。そして90年から2020年は失われた30年と呼ばれる衰退の時代を迎えました。そういった観点で私たちの業界が5年後、10年後あるいは30年後にどのような姿になっているのか。業界のことを客観的に見ている業界紙の立場から、業界の未来予想図について話してもらいます」と講演の趣旨を説明した。
同社が設定した「塗料・塗装業界の現状と10年後の未来予想図」のテーマに沿って本紙は、建築塗装市場のボリュームゾーンである戸建住宅の塗り替え市場の動向を中心に話を展開した。
コロナ禍期間中の需要の先食いの反動や、急激な物価高による個人消費の低迷など、この1~2年の市況の悪化に言及しながら、「実はもっと深いところに構造的な要因が横たわっているのではないか」と指摘。
「住宅リフォームの市場が興って30年、需要を引っ張ってきたのは巨大な人口を抱える団塊の世代の顧客層。持ち家率が90%近くと突出して高く、バブル期に働き盛りだったこの層は消費も旺盛で、この世代の消費者層がいたからこそリフォーム市場が成り立ってきた」と持論を展開。「この世代が全員後期高齢者になり市場から退出した今、住宅塗り替え市場もこれまでのような成り行きでの成長は望めない」とし、価値軸を変えていく必要性を強調した。
そのアプローチとして海外の住宅塗装事情を引き合いに出し、住宅の"色"による地域づくり、まちづくりの観点で話を展開。「色が整ったきれいなコミュニティづくりをリードする色彩提供産業、そうした文化的な価値を創出していくべきではないか」と業界の未来への提言を行った。
セミナーではこの他、今春発売した建築分野の新ブランド「ラグゼMUKIシリーズ」の展開報告や、外断熱工法「Zウォール」の提案などを同社の社員がプレゼンテーション。
「ラグゼMUKIシリーズ」に関しては、「高耐候・耐久性を実感できるつや感、仕上がり感とコストパフォーマンスの両立で、施主様の評判がすこぶるいい」と報告。また、塗料・塗装による猛暑対策として湿式外断熱の「Zウォール工法」を提案。中空バルーン配合による効果の高さと塗装工事の付加価値アップの側面から「ビジネスに新たな局面が開ける」と、その有望性を提案した。
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