イサム塗料東京支店(支店長・齊藤滋治氏)は7月5日、同支店で「2025年特約店研修会」を開催した。同研修会は、自動車補修用塗料に特化した毎年恒例の企画。当日は関東圏の特約店を中心に約40名が参加した。

今回、実演塗装を交えて紹介したのは、新製品となる「ノンスチレンスプレーパテ」「ビーストスプレーガンMAGNUM」の2製品と「ハイアートNext」「ポリウレアクリヤー」、水性ベースコート「CRONOS HD」の3製品。製品の特長を示しつつ、施工手順や留意点ついて詳しく解説した。

「ノンスチレンスプレーパテ」は、広範囲の傷や雹害などによる凹み、鋳物の鋳肌、巣穴に適したスプレータイプのパテ。スチレン非含有にしたことで特化則・有機則に対応。更に結晶性シリカ規制対象除外品と法的対応を緩和する環境安全性を特長とする。

仕様として有機則フリー、速乾性に優れた即加熱希釈剤と深い傷や可使時間の長い厚付希釈剤(有機則該当)の2タイプを揃え、実演では「サタジェット100BP」(口径2.5mm)で施工。従来の「パテサフ」とそん色のない厚付け性と研ぎ性の良さをアピールした。スプレーガンは口径2.0mm以上を推奨する。

続けて「ベッドライナービースト」と「ビーストスプレーガン」(口径3mm)を使用した特殊チッピング工法について実演を行った。

今回は、分厚いざらざら模様やさざ波模様など再現性が難しいとされるホンダ車のチッピング塗膜をモデルにブースト剤やエア圧、へら付けを組み合わせるテクニックを紹介。また大流量を特長とする新型スプレーガンとなる「ビーストスプレーガン37MAGNUM」(口径3.7mm)を紹介し、極小模様から大模様までカバーし、塗装回数、塗装時間の短縮に寄与するメリットを伝えた。

その他、環境対応型1液ベースコート「ハイアートNext」においては、少ない原色配合量で3コートパールの調色配合作業の効率性を高めた「楽塗り配合」について解説。「CRONOS HD」では、カナダ製の短波長赤外線効果システム「SPECTRATEK」を活用した速乾システムを紹介。塗膜と基材の両方を加熱する短波長赤外線により硬化時間5分未満を可能にした。

研修会前半の座学講習では、車体整備業界のトレンドとして労働安全衛生法改正、工賃単価の動きについて解説。労安法関連ではリスクアセスメントや職場における熱中症対策について学んだ。