打ち放しコンクリートの再現塗装工法で初めて遮熱仕様が確立された。同施工事業を展開するピアレックス・テクノロジーズ(本社・大阪府泉大津市、社長・廣瀬直輝氏)はこのほど、打ち放しコンクリートの再現塗装工法「G-PFシステム」において、透明遮熱塗料を組み込んだ遮熱仕様を確立、展開を始めた。打ち放しコンクリートの建物の室内の暑さ問題を解消する工法として反響が広がりそうだ。

展開を始めた「G-PFシステム遮熱仕様」は、打ち放しコンクリート調の描画塗装工法において、透明遮熱塗料を塗布し、コンクリート躯体への太陽光の熱の侵入を抑制する。

コンクリートは熱伝導率と蓄熱性が高く、躯体から放出される熱で室内が暑くなりやすい特性がある。このため打ち放しコンクリートの住宅やオフィスなどでは「室内の夏の暑さをなんとかしてほしい」といった声や、通常よりもかさむ光熱費に困っている利用者も多い。スタイリッシュな外観デザインとは裏腹に、打ち放しコンクリートの建物が抱える弱点というわけだ。

同社はこの問題に、透明遮熱塗料の開発で応えた。水性フッ素クリヤーにケイ酸塩鉱物層を形成した顔料を処方し、外観への影響をほとんど与えずに太陽光の近赤外線を反射するクリヤー塗料を開発。コンクリート調の模様描画の後にこのクリヤーを組み込むことで、コンクリートの風合いや色調を生かしながら遮熱効果が得られる仕様を確立した。

熱源を照射したコンクリート板による遮熱性能の実験では、通常の仕様に比べて表面温度で13.4℃、裏面温度4.0℃の低減効果を実証。室温を1~2℃下げ、エアコンの消費電力を26%削減する効果を確認した。「クリヤーの遮熱塗料といった点で、建物オーナーや設計にインパクトがあると思う。打ち放しコンクリートの室内の暑さ解消に貢献するスペックとして提案していきたい」(担当者)と拡販を進める。