塗装機メーカーのサメスは8月、事務所及びラボ施設を移転した。新ラボは、AIRMIX、2液混合機、静電ベル、粉体マニュアルガンユニットのデモに対応。ロボットも設置し、密閉式ブースによるロボット塗装を体験することができる。8月下旬からテストを求める顧客の依頼が寄せられており、市場展開に弾みをつけたい考えだ。
同社が新しくオフィス兼ラボを構えたのは、神奈川県相模原市にある「さがみはら産業創造センター」のSIC3。
同センターは、新規創業や新分野への進出を図る起業家やベンチャー企業の支援を目的に、1999年に相模原市や中小企業基盤整備機構、相模原商工会議所、地域企業の出資によって設立された。事業規模や業容によりSIC1(スタートアップラボ)からSIC2(クリエーションラボ・R&Dラボ)、SIC3(イノベーションラボ)の3施設がある中、今回同社はSIC1からラボスペースの大きいSIC3に移転した。
新ラボは、鉄骨造3階建ての建屋を縦割りに利用し、1階・2階は天井6m、間口7m、床加重1トンの2層構造のラボスペース、3階はオフィスとして活用する。ラボには冷暖房とロフトが設けられ、明るい雰囲気の中で商談や打ち合わせを行うことが可能。現在、新ラボで対応するのは、AIRMIX塗装機、静電ベル、高塗着静電ベルのロボット塗装と2液混合機、粉体マニュアルガンユニットの実機テスト。顧客が持ち込んだワーク、塗料を使い、仕上がり品質や塗着効率を確認できる。
工業塗装分野の拡充目指す
移転前のSICのラボ設置でAIRMIXの採用拡大に弾みをつけた同社。新ラボでは、高塗着近接ベルの普及拡大に期待する。
わずか100mmの距離で塗装する高塗着近接ベルは、塗着効率向上、塗料使用量削減、環境負荷低減が図れる技術として自動車分野を中心に注目を集めている。塗装機メーカーによる製品投入が活発化する中、グローバルメーカーとして自動車向け静電ベルで豊富な実績を持つ同社も品揃えの拡充と合わせ、攻勢をかける。
現在、「ナノベル」として「同801」(非静電)、「同803」(静電・レシプロ)、「同805」(静電・ロボット用)の3機種をラインアップ。高塗着近接静電ベルとしては「同803」「同805」の2機種を揃える。更に、自動車向け「同807」、次世代型「同809」の投入も控えており、ラボの活用から導入につなげたい意向を示す。
中でも同社が普及を目指すのは、一般工業塗装分野への展開。「既に自動車パーツや内装部品で導入の検討が進められている」(同社・丹野栄一氏)と自動車に限らず、高塗着ベルの用途拡大を積極化する。
◇サメス・新ラボ&オフィス:〒252-0243神奈川県相模原市中央区上溝1880-2、TEL042-703-4430、FAX042-703-4450




