調色などの受託加工を手掛ける工業用ディーラーのウチダ(本社・大阪府八尾市、社長・手嶋律夫氏)が塗料添加剤事業に乗り出す。

扱うのは、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)。エンプラに使われる材料でPTFE含有塗膜を凌ぐ摺動性、耐摩耗性が特長で、塗料用添加剤としての展開を本格化する。

UHMW-PH添加剤を製品化したのは、めっきなどの金属表面処理剤やコンパウンド、バフ研磨剤などの開発製造を行うムラタ。UHMW-PEに表面処理を行い真球状にするなど独自の加工を施し、添加剤としての活用を実現した。

実用化においては、先行して「UHMW-PE複合ニッケルめっき」を上市していたが、「当社ラボにて塗料に添加したところ良好な物性が得られた」(手嶋氏)と塗料用途への適応を確認。潤滑機能を要する金属用塗料や木工用塗料への展開を視野に入れる。

特にUHMW-PE添加剤が期待されるのは、PFAS代替としての需要。摺動性、耐摩耗性の付与は、フッ素樹脂の1つであるPTFEがカバーする領域だけに欧州で導入が検討されているPFAS規制を背景に代替として訴求力を高めている。

ムラタの担当者は「PTFEに比べ粒径は大きいが比重は3分の1と軽い。物性もPTFEの4分の1の量で同レベルを確保できる」とアピール。薄膜から厚膜、溶剤、水系に適応し、かつ後添加を可能にする取り扱い性の良さを武器に塗料メーカーに推奨する方針。問い合わせTEL0729-48-0561(ウチダ)