入社式ウィークにいきなりこの話題で恐縮だが、新たに社会人になった人たちの定年時期を考えてみる▲高齢者雇用安定法の改正によってこの30年ほどで定年退職年齢は55歳から60歳、65歳へ引き上げられてきた。このペースでいくと、今年の新入社員が定年を迎える年齢は80歳を超えていても不思議ではない。健康年齢の伸びと年金の枯渇を考え合わせるとむしろ現実味があり、いよいよ「一生働く時代」の到来を予感させる▲長寿社会に向かう中で高齢者を前期と後期に制度化したように、若い人たちに対しても同じような考え方が必要かもしれない。学校を卒業するまでの教育期間を前期、社会人になってからの10年ほど、30歳前後までを後期とし、やはり教育に比重を置くような社会や企業の向き合い方▲60年以上の長い勤労生活、しかも終身雇用が崩れさまざまな職場を渡り歩いていくためには以前とは比べものにならないくらい多様なスキルが求められる。自身が成長するための寛容さや仕組みが企業に整っているか、これからの若い人たちは本能的にそこを嗅ぎ分けてくる▲新入社員に求める資質として入社式のあいさつで頻出する「協調的」で「柔軟」「創造力」があり「グローバルな視野と対応力」を持った人材像は、超長期勤労社会を見据えてのものでもある(K)