左官と床の専門店、自走式研磨機を導入

ゆうき総業(本社・山形県上山市、社長・結城伸太郎氏)は、昨年9月、左官工事と床の専門店「FIELDEDGE(フィールドエッジ)」をオープンした。店内には、樹脂塗り床、スタンプコンクリート、コンクリート鏡面仕上げなど多彩な仕上げを施し、顧客の求めるイメージの具現化をサポートする。塗装、防水、左官と多能工化による業容拡大を図る同社がなぜ床工事に成長性を見出したのか。「FIELDEDGE」を訪ねた。



 


山形新幹線「かみのやま温泉」駅から15分ほど歩くと平屋建ての店舗が見える。交差点角地の好立地に左官工事と床工事専門店「FIELDEDGE」を構えた。

元々セレモニーホールとして使われていた店内は、実際の仕上げに触れられるよう床、外壁、内装に多種多様の仕上げが施され、床関連の仕上げだけでも軽く20種類は超える。土間コンクリート、スタンプコンクリート、スプレーコンクリート、TFフロア、床モルタル塗り、塗り床、樹脂洗い出し仕上げと床仕上げの総合デパートといった内容。一般住宅から工場、店舗など、顧客はイメージに沿った床仕上げを選ぶことができる。

結城氏いわく「元々店舗を構える考えはなかった」が店舗設立に舵を切ったのは、野立て看板と変わらない破格の安さで借りられる今の建屋に出合ったこと。「人員増加で本社が手狭になっていたこと、新規導入した設備の保管場所に使えると考えた」と店舗設立に踏み切った。

当然、事務所兼倉庫としての利用も考えられたが、立地の良さもあり、結城氏自ら店舗装飾を手がける。天井は木製ルーバーとダウンライトで開放感のあるすっきりとした雰囲気を演出。客を迎えるエントランスは、壁面にシート建材、床は石を細かく敷き詰めた樹脂洗い出しで和モダンに仕上げた。床以外にも内装タイル張り、モールテックスやVALペイント仕上げ、発泡スチロールに意匠塗装を施したTFウォールなどを施し、仕上げ技術の多様性と奥深さを体感することができる。

数千万円投じ土間事業に参入

湿式、乾式を交えた多彩な仕上げに触れられる店舗だが、集客としてはWEBサイトを軸に法人物件を主なターゲットにする。中でも稼ぎ頭として期待するのが、店内でも一際存在感を放つ3台のコンクリート研磨機。昨年、数千万円を投じ、スウェーデンの「DURATIQ」3台を導入した。コンクリート床面の研磨、鏡面仕上げまでを1台で行える自走式コンクリート研磨機で同社の床事業に拍車をかけている。

大胆な設備導入を決断した理由について結城氏は「床工事におけるフル体制を構築することが最大の目的。大規模施設を中心にコンクリート鏡面仕上げが増えており、十分に採算が得られると判断した」と新設が相次ぐ物流倉庫や半導体工場を商機に捉えた。

鏡面仕上げが行えるコンクリート研磨機の導入企業が国内ではまだ少ないことが差別化となり、早速大手ゼネコンから数千万円規模の物件を受注。「発注者にとっては、土間と塗装ができる利便性も感じて頂いている」と複数の工事に対応できる多能工施工店としての価値も高めている。

大胆な設備投資が床事業へ弾みをつけた形だが、これを可能にしたのが、技能の修得と協力体制の構築だ。

コンクリートの打設や土間作業を行うためには、左官技能を要する。あくまでも自社職での多能工化を基本とする同社は、土間事業に参入を見据え、左官学校に入学。結城氏、社員とも3年間、みっちりスキルを習得した。

現在、社員20人が左官技能を有する他、協力業者においては100人を超えるネットワークを有する。「全国に現場がまたがる床事業において、強力な武器だと捉えている」とコメント。技能者不足に悩む床工事業者において、多能工化の経営スタイルが差別化になるとの読みがある。

「私たちは常に新しい技能習得への挑戦と失敗の連続で成り立っている」と結城氏。塗装、防水と業容を広げてきた同社にとって左官は多能工化の集大成と位置づける。今後は、土間コンクリートの技能を生かし、橋梁や農業排水路などのインフラ分野に展開していく意向を示す。



「FIELDEDGE」外観
「FIELDEDGE」外観
結城伸太郎社長
結城伸太郎社長
店舗ショールーム
店舗ショールーム
最新鋭のコンクリート研磨機
最新鋭のコンクリート研磨機

HOME建築物 / インフラ左官と床の専門店、自走式研磨機を導入

ページの先頭へもどる