五月晴れの陽気に誘われて散歩に出てみた。いや、単に家の近所をブラついただけなので、散歩というよりは徘徊だな。実は、在宅勤務で原稿書きをしていて行き詰まったとき、気分転換とネタ探しも兼ねてよく歩きに出かける。一応勤務時間中なので会社には内緒だけど▲平日の昼間に住宅街を徘徊しているオジサン。不審者に間違われないよう気を付けながら歩いていると、今回のコラムのネタが見つかった。5月の風物詩と言えば、そう「鯉のぼり」である▲近所の家々を眺めながら小一時間も歩いただろうか。この間、数百のお宅を目にしているはずなのに、鯉のぼりが1つも見当たらない。たまたまウチの近所だけなのか、いくら少子化が進んでいるとは言え、鯉のぼりの釣果がボウズとは▲早速、「鯉のぼり減少」でググってみた。確かに少子化の影響は大きく、マンションが増えるなどの住宅事情も重なり、どこも減っているらしい。更に、「あの家には小さな男の子がいるようだ」と家族構成を知られることも嫌われているとか。情報をさらすことの怖さが募る時代、「世相だなぁ」と感じ入った次第である▲男の子の健やかな成長と立身出世を願って広まった鯉のぼりの風習。健康はともかく、出世を望まない男子も増えていると聞くから、そりゃ減るわなぁ(K)