数カ月前のこと、会社に分譲マンションのチラシが入っていたのだが、その値段を見て驚いた。最寄り駅でもある文京区の地下鉄駅前のリノベーションマンションが、100㎡ほどの3LDKで4億4,000万円だった。都内のマンション価格が高騰しているとは聞いていたものの、"日常的"な土地での"非日常的"な金額にインパクトは強烈だった▲資産が1億円以上5億円未満の富裕層と、5億円以上の超富裕層は着実に増えているという。そうした層をターゲットに高付加価値を提供するビジネスは、少子高齢化が進む国内市場においては重要なポイントとなっている▲粉体塗装のカラーデザインを得意とする、塗装専業者のカドワキカラーワークス(門脇正樹社長)もまさにそこを成長の1つの着目点としている。意匠性の塗装仕上げで顧客にラグジュアリー感を提供するビジネスモデルだ▲1月、門脇社長が念願だったショールームを都内に開設した。"鉄部は粉体塗装"、同時に"内装は水性塗装"の両軸から意匠性仕上げを提供する。近年は高級マンションや個人住宅の設備で意匠性仕上げの採用が増えているとしてBtoCでも情報発信力を一層高めていく戦略だ▲多様な素材への適応力、多彩なカラーバリエーションや模様といった塗装の強みを生かした需要創造が期待される(T)