今年も暑さを警戒する時期がやって来た。いや、近年の暑さはもはや"熱さ"と表すべきレベルで、職場での熱中症対策が罰則付きで義務化されるほど危険なゾーンに入ってきた。そんな物憂い季節に、涼しげな話題をひとつ。氷と塗料の話である▲アイスホッケーが盛んな欧米では、スケートリンクのシーズン終了時に開かれる「PAINT ON ICE」というイベントが人気だという。贔屓のチームのリンクにファンが集い、広い氷上いっぱいに思い思いの絵を描く。スケートリンクのユニークな楽しみ方と、氷の上にペイントという意外性も相まって興味深い▲同じような催しが先日、東京で初めて開かれた。場所は江戸川区スポーツランド。スケートリンクのシーズンが終了する6月1日に、地域の人たちが400人近く集まりリンクに絵を描くイベントを開催。日本ペイントと大塚刷毛製造らが塗料と用具の提供で協力した▲「氷の上に塗料が塗れるの?」。塗れるのである。しかも、塗ったそばから水性塗料が凍っていくので乾燥も超はやい。いや乾燥というより"氷化"だな。塗料の新たな楽しみ方を発見した▲白い氷のキャンバスとペイントカラーが織りなす光景は幻想的でさえあり、まるでアートの世界。見る人を魅了するこのペイントイベント、国内でも広がりそうな予感(K)