日本ペイントと大塚刷毛製造は、横浜市立下野谷小学校の6年生児童約70名が壁画アートを制作したイベント「記憶のかたち」に協力。塗料と塗装用具をそれぞれ提供するとともに、人的支援を行った。

同イベントは、同小の創立99周年を記念して企画された。クリエイティブアート鶴見が主催し、9月~10月にかけて4日間にわたり実施。匂いをテーマとした活動を行うアーティストの井上尚子氏が児童の指導に当たった。最終日の10月3日に本塗りを行い、壁画を完成させた。

今回の企画コンセプトは、目に見えない匂いを目に見える形として壁画に表現すること。本塗りを迎えるまでの具体的な取り組みとして、児童は普通教室をはじめ体育館、音楽室といった校内のさまざまな場所を巡って匂いを体感。感じた匂いを甘味、辛味、酸味、苦味、旨味(or分からない)の5種類の味覚に分類した。

さらに、自分の感じた匂いがどのような形だったかを想像し、壁画に下書きしてその形にマスキングテープを貼り付けて準備を整えた。本塗りでは、味覚に対応した赤、黄、青、緑、紫の塗料で下書きに色をのせる作業を行った。

「卒業していろいろな経験を積み、再び母校を訪れてこの壁画を見たときに思い起こされる記憶こそが大切だと考えています。例えば、学校を巡って感じた匂いと、全く別の場所で感じた匂いが同じであるとの気づきが生まれれば、一連の体験の記憶がより鮮やかな思い出に変わるのでは」と井上氏。

今回使用した塗料について「コンセプトに適したやさしい色合いが得られ、とても満足しています。また、塗料の匂いが全くないことに驚きました。匂いがテーマの企画ですから、これは非常に重要でした」と感想を述べた。

日本ペイントは「パーフェクトシーラー」「水性ファインSi」を提供し、大塚刷毛製造は刷毛をはじめとする塗装に必要な資材一式を提供。本塗りの際には、両社のスタッフが児童をサポートする姿も見られた。