活動停止状態だった札幌木工塗装技能士会が再開し、2023年には23年ぶりに木工塗装技能検定が行われた。
 復活の立役者が、店舗什器などの装飾塗装を手掛ける井原塗装(北海道札幌市)の井原啓太社長。以前から交流がある同業の彩工房(石狩市)の田村裕晶社長とともに技能士会再開の報告と会員集めに奔走。また北海道職業能力開発協会とも掛け合い、技能検定の再開が実現した。技能検定は隔年で行われ、2023年は17名、昨年は数名が受検した。現在、同会には9社が加盟する。
 長く活動のなかった同会を再開させる想いに至らせたのは、井原氏の強い危機感にある。「木工塗装業界が縮小の一途をたどる中、ここで同業同士が連携を組まなければ、社会から埋没してしまうと考えました」と話す。
 特に技能検定は最たるもの。木工塗装技能士は、専門知識と技能力を示す国家資格であるものの、実技試験が行われている都道府県は全国でも数えるほどしかない。「技能者の誇りと社会的価値を高める役割が技能士資格にある」と技能検定の再開を活路に見出した。
 産業としては縮小の一途をたどる木工塗装だが、木工塗装はニッチな領域で付加価値性を高めている現状がある。井原氏の会社もその内の1社。現在、全国のデパートやブランドショップを顧客に什器や造作物を装飾。木工塗装で培った意匠表現力が評価され、安定経営につなげている。
 会員にも同社と同様に独自の領域で価値を高めている会社もあり、これから同会では見積もりや単価の決め方など経営課題においても情報を共有する計画。
 井原氏は「ビジネスとしてきちんと成長することが木工塗装全体の活性化に寄与すると思います」と同業との成長に明るい未来を見ている。

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