19日、都内のホテルで日本工業塗装協同組合連合会の全国大会が開催された。年に1回、全国各地区の工業塗装専業者が集まる催しであり、長らくの再会を楽しむ様子があちらこちらで見られるのも特徴だ▲そんな場面において、ある経営者からの話で、建設予定の新工場ではガスを使用せずオール電化を計画しているという。その理由は脱炭素の取り組み。CO2排出量削減が期待できることから導入を決めた。現状では塗装専業者が積極的に脱炭素化の取り組みを示すことが少ない中、興味深い動きに感じられた▲近年は取材に回る中で脱炭素に関する技術に触れることが増えている。塗料メーカーや機器・設備メーカーは技術開発に注力し製品化の動きが活発な一方で、冷静な声も聞かれる。「大手ユーザーは脱炭素技術に関心を持ち、データを要望したり検証に取り組んだりしているものの、実際に導入に至ることは非常に少ない」といった声が聞こえ、中には「ヒアリングは増えたが、それは周りへの"ポーズ"に思える」との見方も▲現状を考えると、顧客から専業者に脱炭素化が強く問われるケースはまだ少ないかもしれないが、自ら能動的に取り組む業界企業は確実に増えている。そうした事例を取り上げることで活性化を図りたいと感じた週末であった(T)