神奈川県下の塗装会社の若手経営者らで組織する神奈川昭和会(高野一哉会長)は8月7日、神奈川県立白山高校において職業体験型塗装ボランティア活動を行った。同校の生徒や教職員30名ほどが参加し、校舎内の壁の塗り替えを体験、指導したプロの塗装職人たちと一緒に汗を流した。
建設業への若い人たちの入職が減る中、塗装の仕事の魅力を高校生たちに伝えるため職業体験型のボランティア活動を行っているもので、令和2年度から始めて今回が5回目。県の教育委員会を通じて実施校を募り、今回は白山高校に決定、職業体験型の塗装ボランティア活動が行われた。
作業の前のあいさつで高野会長は、「みなさん、塗装という仕事にどんなイメージを持っていますか。建設業の中でも塗装は最後の仕上げを担い、完成したときの喜びを一番感じられる仕事です。また、鉄の素材を守って橋が落ちるのを防いだり、テーマパークのアトラクションを古びたように魅せる技術であったり、社会的な役割から創造的な分野までとても幅の広い仕事です」と話し、塗装業の魅力を伝えた。
今回、生徒たちが塗装作業を行ったのは校舎内の1階と2階の廊下の壁。あらかじめ神奈川昭和会のメンバーで養生や下塗までを終えた壁の最後の仕上げを生徒たちが行う。生徒と教職員混合でいくつかのチームに分かれ、それぞれのチームにプロの職人が付いて指導。事前の座学で習った刷毛の握り方やローラーの動かし方に気をつけながら、自分たちの校舎の壁を塗装した。
今回の塗装体験には同校の鍛代(きたい)千鶴校長も作業で参加。「当校は今年創立50周年を迎え、その記念事業の一環としてこの活動に応募しました。今の子供たちは大人と接することが少なくなっており、こうした機会を通じて大人の人たちとのコミュニケーションや職業観を養ってほしいという期待もあります。塗装のプロの方たちと触れ合うという、普段ではできないようなとても貴重な経験ができました」と、神奈川昭和会への感謝の気持ちを口にしていた。