結婚以来、12年間使っていた冷蔵庫がついに壊れた。詳しくいえば、冷"凍"庫。冷凍していたパンが柔らかくなり、買ったばかりのアイスがドロドロになってようやく異変に気づいた。
温度表示を見るとマイナス5℃あたりを上下している。正常値はマイナス15℃〜20℃だ。

早速、修復を試みる。ネットで見た30分程度電源を落として、霜を取る方法をトライしてみたが、まったく回復の気配は見られず。他に2〜3日放置するという記事もあったが、食材が入っているため、そこまではできない。
引き出しの奥に眠った説明書を掘り返し、メンテナンスのページを開くが、冷蔵機能は元気で冷凍機能だけが不調という事例がそもそも少ない。手詰まりになった。

私の悪戦苦闘ぶりをよそに、妻は初めから諦めモード。鮮やかな処置で見る見る温度が下がり、ほれ見たことかと妻に言う誇らしげな自分を想像してみたが、そうはならなかった。
そして会社の人間や知人に状況を話し、回復のアドバイスを仰ぐが「12年も使ったんだったら無理なんじゃない」とつれない返事。ましてや「壊れる前に買い換えてますよ」という返答に更に驚き、冷蔵庫が壊れたぐらいでドギマギしている自分が滑稽に思えてきた。

当たり前のように動いていたものが、いきなり不調を訴えてくる。出費の大きさといい、存在感といい、白物家電の恐ろしさを知る。観念し、買い換えを決心した。

そうとなれば行動は早い。早速、仕事帰りに新宿の家電量販店で物色。「妻がいないので決められないですよ」と予め店員を牽制しつつ、価格や機能の違いについて説明を求める。
幸い、冷蔵庫が置ける幅に制約があるため、選ぶ機種も絞りやすい。 ある程度、価格相場をつかんだところで「9月下旬から各社新機種を投入しますので、今あるものは在庫限りになります」と店員。
在庫に余裕があれば値段が下がり、少なくなれば上がるという。更に新機種が入荷されれば、今見ているモデルは売り場から消える。なかなか絶妙な時期に買い換え時期が来たものだと喜びながら、残された時間はないと焦燥に駆られた。

そして翌日、妻を連れ立って同じ量販店に。昨日説明を受けた店員さんにあいさつし、「〇〇は容量が大きくて安い」「〇〇には他社にないこういう機能がある」などなど妻に昨日の調査結果を報告をした。 そしてひと通り私のプレゼンを聞いた後、選択指名権を持つ妻が下したのは、「白色がいい」との返事。
スペック、機能、価格で比較調査していた私の調査活動を一瞬で葬った。 妻に言わせると、インテリア、家具とのバランスを考慮すると白しかないという。店内を見渡すと、白色がある冷蔵庫は1機種のみ。白物家電と言いながら、白の冷蔵庫が少数派だったのも意外な事実だった。

機能が敗北し、色の完全勝利で終わった2017年。次の購入時期は2030年頃か。冷蔵庫の進化を楽しみに待ちたい。

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