キャピタルペイントは、国産木材に含まれる油を活用したオイル塗料「森林(もり)の塗料」を開発、今年から販売を開始した。

山で伐採された木は、製材加工する前に必ず自然もしくは人工的な方法で乾燥を行う。形状寸法の安定化や品質向上のために不可欠な工程だが、人工乾燥の際には、木材に含まれる油分が水分と一緒に大気に排出されるという。その排出される油を回収し、塗料原料として活用したのが同品。「排気物(油)を活用することで、森林の活性化に貢献できると考えた」(担当者)と製品化を実現した。

仕組みとしては、油の回収システムを展開する企業と連携し、人工乾燥を行う工場に油回収システムの導入を提案。抽出された油を同社が原料として買い取るというもの。「木材の安価取引が木材事業者の存続や森林の維持保全を困難にしており、塗料原料へのアップサイクルから新たな経済価値を提供できればと期待している」と新たな資源活用の方策として、木材乾燥工場に抽出油の供給協力を求めていく。

一方、こうした国産材の油を活用し、森林関係者に経済的価値を還元する同品のコンセプトに設計関係や工務店が反応。SDGsやサステナ性を訴求できるとして引き合いを増やしている。

製品の特徴は、木材精油に亜麻仁油、荏胡麻油、菜種油などをブレンドしたオイルフィニッシュ塗料で木の香りが特長。樹脂分を増やし、一般的な天然系塗料の約2倍となる塗布面積約30~40㎡/Lを確保し、1回塗り仕上げとした。乾燥時間は12時間、荷姿は1L、2L。