米国の塗料事情にちょっとした変化が起きているらしい。住人が当たり前のように部屋の壁を塗り替える「DIY」ペインティングの本場の国に、「DIFM」というスタイルが浸透してきていると、先日来日した米国塗料メーカーの首脳陣が話していた▲「DIFM」とは、Do It For Meの頭字語で、自分ではない誰かに(塗装を)依頼すること。共働きが増えて収入がアップした反面、DIYをする時間が減っている影響だという。プロのペインター以外にも、そうしたプチ塗装を請けるサービス業者が増えているらしい▲それでもまだ、内装塗料の4割はDIY需要で占められており、身近な存在であることに変わりはない。というより、誰かに頼んでまで部屋の壁を塗り替える文化は何に根ざしているのか、そこが知りたい▲ホームパーティーが日常のお国柄、他人を家に招き入れる機会も多く、インテリアのドレスアップには気をつかっていると聞いたことがある。確かに他人の目は強い動機づけになるが、そればかりではない。ドレスアップされた空間の快適さ(価値)を住まい手自身で体感しているのが一番の理由だろう▲国内の住宅シーンであまり見かけないインテリアのドレスアップという切り口。内装塗料の動機づけとしてどうだろう。コンセプトを立てることで更にアイデアも湧いてくる(K)