ドローンどころではない、グーグルアースまで飛び出してきた。塗り替え工事の現場調査の話である。地球のほぼ全域の衛星写真を閲覧できるグーグルアースで対象の建物にアプローチし、その外観の画像から屋根や壁の面積を算出する試み。斬新な発想に思わず唸った▲日本塗装工業会が昨年リリースした建物採寸アプリ「ピクトルーラー」でそのような使われ方が始まっている。アプリの推進役、技能委員会の柏光一委員長が実際の物件事例を見せながら説明してくれた▲ピクトルーラーは逆パース法という算出式を使って建物の輪郭線や各部の長さを推察する計測アプリ。難しいことは理解できなかったが、要は正面よりも斜めからの画像の方が都合がいいということらしい。斜め上から建物の周りを360度、角度も変えて見られるグーグルアースは打ってつけというわけだ▲「便利な世の中になったなぁ」と感心しているだけでは能がない。グーグルアースとのマッチングだけに限らず、人を驚かせ、市場をワクワクさせる種はまだまだあるはず。それこそ衛星から俯瞰するような広い視野が必要ということだろう▲ちなみに、ピクトルーラーは計測値でそのまま立面図を作成し、見積書にまで連動する機能を備えている。「もう一式いくらの時代ではないでしょう」と柏氏(K)