塗装業界でも広がり始めたドローン。屋根の上や外壁まわりを飛行させて建物の現況調査に活用、人が行けない場所にもアプローチでき、高性能カメラによる映像で建物の状態をより詳細に確認できると好評だ▲「調査の精度が高まった上、作業の人数と時間も減少。何よりも人が高所作業から開放されるメリットが大きい」と塗装会社の経営者。「現場でドローンを飛ばしていると近所の人たちが必ず表に出てきて話しかけられる。下手な近隣営業より余程効果が高い」と、おまけのメリットにもニンマリ▲ドローンの変種と言うべきか、いや、逆転の発想と言うべきなのか、壁を這うドローンが出現した。モーターで自走する1m四方大の台車状のキャリアにドローンのプロペラを逆さまに装着。推力を、キャリアを壁に押し付けることに利用し、垂直の壁を落下することなく縦横無尽に移動する。先日開かれた建設・土木関係の展示会で参考出品されていた▲利用目的は外壁タイルや土木構造物の打音検査。キャリアに搭載したインパクタで対象を打撃し、その振動応答の波長で健全常態か否かを測定。人の耳による検査以上の信頼性と、足場やゴンドラ不要の先進的な打検が期待されている▲いよいよ壁を這い回る技術が出てきた。刷毛を握ったロボットの出現もそう遠くない(K)