一生食いっぱぐれないように手に職をつけようと看護師専門校に通っている22歳の女性。ふと耳にした「建設業の職業訓練生募集」の情報にヒラメクものがあった。鳶職の父親のもとで育った我が身。「同じ手に職をつけるならこちらの方が性に合っているかも」と▲先月から1カ月の研修期間でスタートした「京都職人育成アカデミー」に応募。塗装や左官、防水、木工事など各種建設仕上業の実技訓練に汗を流した。やはり直感は当たっていた。どの作業も「めちゃめちゃ面白い」。研修後は、職人として建設業の会社に就職するつもりだ▲「京都職人育成アカデミー」は、建設労働者緊急育成支援事業(建設業振興基金)の一環として建設業の民間企業6社が協力して開講したもの。発案者は建設塗装会社・竹延(たけのべ、本社・大阪市)の竹延幸雄社長。「職人不足は建設業全体の問題」とし、軽鉄、木工事、防水、左官、クロスなどの専門工事業に声をかけ、仕上業全般を学べるアカデミーとした▲訓練生からは「それぞれの仕事を具体的に体験、自分との適性が分かり垣根が低くなる」と好評。講師を派遣した各会社も「教え方、仕事の面白さの伝え方を学ぶ意味で非常に勉強になる」と双方の波長が合致。入職への大きな導線になる。「このモデルを全国に広めたい」と竹延社長(K)