台風21号の被害状況を調査していた矢先に北海道の地震のニュースが飛び込んできた。「またか」という思いと同時に日本が天災から逃れられない国であることを改めて認識させられた。相次ぐ今夏の災害に幸い、業界内で人的被害に関する報告はなかったが、塗料缶が崩れる、看板が落下する、ガラスが割れる、屋根が剥がれるといった被害が出ており、今も物流面では全面回復には至っていない。修復を依頼しても業者が手一杯の状態で、ブルーシートで抑えるなど簡易的処置で凌いでいる会社もある▲しかし、こうした災害で甚大な被害がもたらされるのは、いつも局地的。少し離れるだけでいつもの生活を取り戻した人々や地域があることも災害の残酷さを際立たせている。1995年の阪神大震災の時も同じだった。大阪駅界隈は出社、通学しようとする人々と被災者に物資を届けようと大きなリュックを背負った人々で溢れ返り、異様な雰囲気を放っていたのを今でも思い出す▲災害対策というのは、想定内のことには対応できても、想定外のことには対応しきれないという本質的な課題を抱えている。その中で今回、台風21号でJR西日本が前日に10時以降の運転休止に踏み切ったことは、難しいが適切な判断だった。事前の対策に"早すぎる"はないことを教訓としたい(R)