「あしたのジョー」「巨人の星」「8時だよ!全員集合」...テレビにくぎ付けだった昭和っ子には隔世の感がある。平成も後半生まれの我が家の娘たちになると、テレビには全く興味を示さず、視ているのはもっぱらYouTube。スマホに見入ってニヤニヤしている、そんな姿しかこのところ見かけない▲聞けば「友達もみんな同じ」だそうで、娯楽メディアの移り変わりを実感させられる。小学生のなりたい職業ランキングでユーチューバーが上位にいることを笑っている、そんな世代の方が時代に置いていかれそうだ▲昨年来、「会社でYouTube(での発信)を始めた」という業界企業の話を多く聞く。コロナ禍で営業活動がままならない中、少しでも市場とコミュニケーションをしたい思いの現れ。「えっ、こんなニッチなメーカーさんまで」と驚くケースもあるが、案外当たるかもしれない。ニッチでマニアックな情報ほど"バズる"チャンスがこのメディアにはありそうだから▲YouTubeを始めた企業の多くが、その制作を若手社員に任せている。コンテンツをつくる上でストーリーや台詞を考えなければならず、「どう伝えれば響くのか、言葉磨きや表現力の訓練はそのまま仕事にも生きる」と上司の弁。もちろん昭和世代はそっと見守るだけ、間違っても口出ししてはいけない(K)