新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから1年が経過した。コロナ禍によってビジネス様式が大きく変わったが、その1つに「雑談がなくなった」ことがある▲感染対策のため、営業担当者は以前のように客先に「ちょっと顔を出す」ことができず、事前にアポ取りして必要な要件のみを話す。ウェブによるリモート商談では雑談する雰囲気が生まれにくいと感じることも多いのではないか。また、展示会やセミナーといったイベントはオンライン開催に変わり、懇親の場が消失してしまった▲"たかが雑談"と言えるがここに来て"されど雑談"を実感しているビジネスパーソンは少なくないはず。彼ら彼女らの多くは、そこから得た情報や関係性が、その後のビジネスにプラスに作用した経験を持っている▲先月末から急に日本で流行り出したClubhouse(クラブハウス)という音声SNSがある。招待制の音声配信を行うアプリで音声版Twitterとも呼ばれ、有名人の多くが使用したことで連日ネットを中心に話題となった▲もともとはアメリカのシリコンバレーのビジネス界隈で生まれたらしく、音声のみという特性からどこにいても気軽に相互で会話できるため、情報交換ツールとして重宝されている。コロナ下の"雑談需要"がデジタルの場に見出されたとも映る(T)