先日、オフィス関連の展示会を訪れ、オフィス家具メーカーのオカムラの出展ブースに立ち寄ったところ驚いた。想定していたオフィス家具の新製品の紹介は全くなく、オフィス空間のデジタル化システムの提案を行っていたからだ▲デスクや会議室の利用状況、座席やロッカーの予約、誰がどこで勤務しているかといったモノや空間をデジタル化によってつなげて、効率的な働き方を目指すというもの。担当者に聞くと、家具の新製品紹介といった形を取らない出展は初めての試みと言う▲オフィス家具メーカーの枠を大きく越えたビジネス展開に新鮮さと発展性を感じた。自分たちの製品が使われている現場を自らデジタル化によって管理することで、製品とデジタル技術を有機的に働かせることが可能となる。極端な言い方をすると、現場の主導権を誰が握るかが焦点となっている▲少し乱暴な比較となるが、この考えを工業塗装の世界に照らし合わせてみる。塗装ラインにおいては、前処理、塗料、塗装ブース、乾燥炉、搬送など複数の工程から構成され、各メーカーは自分の範疇のみを管理し、全体的な視点で効率化を提案する存在は確率されていない▲この現状に対し、次世代の塗装工場の姿を主導的に提案するような動きが起こるのか。その担い手に期待したい(T)