例年5月のこの時期に、「ナショナルハードウェアショー」という展示会がアメリカで開催されている。海外の建築用塗料や塗装用具が多く見られるこの展示会を基点に、小紙でも過去2回、海外視察ツアーを催行。ツアーに参加された業界の方々と一緒にアメリカのペイント文化の隆盛に触れ、大いに刺激された思い出がある▲その視察ツアーでお世話になった旅行会社の担当の方が先日、「退職することになり、ご挨拶に伺いました」と来社された。予定していた仕事がことごとくなくなり、新たな活躍の場を求めてIT業界に転職するのだという。旅行業界からIT業界へ。コロナ禍が分けた明暗が、こんな形でも現れている▲ワクチン接種が進んでいる国々から明るい話題が届くようになってきた。昨年はオンライン開催に追い込まれたアメリカの「ナショナルハードウェアショー」も、今年は10月に会期を移して"リアル"で開催するという。社会が、ビジネスが動き始めている海外と、未だコロナ禍真っ只中の国内。焦りすら覚える明暗である▲さて、コロナ後の世界の塗料・塗装はどのように変化するのだろう。機能やデザイン、塗装方法にもニューノーマルが広がっているかもしれない。まだ少し時間がかかりそうだけど、次の海外視察ツアーのご案内を乞うご期待(K)