6月1日から熱中症対策が義務化された。熱中症リスクの生じる一定の条件を満たす作業環境の企業に対して、報告体制の整備、実施手順の作成、関係者に周知を行う必要がある。対策を怠った場合には罰則が科せられるものだ▲温暖化40℃時代の到来とも言われる現代において暑さ対策は深刻だ。ある建築塗装会社の社長は公共工事の現場について「休憩所の設置や飲み物、ファン付き上着など対策にコストをかけているが、それでも作業者が熱中症になった場合、我々だけの責任なのか」と疑問を呈す。休憩時間を増やすこと、それに伴って生産効率が落ちるため、施工単価の見直しの必要性を主張する▲ある工業塗装会社では工場内にエアコンを設置した。これまで乾燥炉付近の作業場などにはスポットクーラーを設置していたが、範囲を広げて暑さ対策に取り組む。工場はモノの出入りが頻繁なため空調効率はけっして高くはないが、それでも対策の必要性を感じたとのことだ▲対策意識は企業側だけでなく働く側も高める必要がある。私事で言うと、今夏に日傘デビューした。工業団地を十分以上歩く、屋根のないバス停を利用するといった日陰がない環境のときには使用するようにした。最初は気恥ずかしさがあったものの、体感するとその効果は絶大だ。(T)